サブスクはもう古い?…世界的な不況が従量課金への移行を促す

Paayal Zaveri原文翻訳:仲田文子、編集:井上俊彦

Feb 6, 2023, 7:30 AM

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Zuoraのティエン・ツォCEOは、優れたクラウド企業は「あらゆる顧客に対応できるような課金モデル組み合わせている」と語った。
Zuoraのティエン・ツォCEOは、優れたクラウド企業は「あらゆる顧客に対応できるような課金モデル組み合わせている」と語った。
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  • 箱に入ったソフトウェアからクラウドベースのサブスクリプションへの移行は、グレート・リセッションの際に進行した。
  • サブスクリプション型の課金モデルは今でも広く採用されているが、従量課金モデルも急速に人気を集めている。
  • 再び不況が訪れようとする中、専門家は従量課金モデルが標準になると考えている。

2008年のグレート・リセッションは、ハイテク業界にとって、新しいビジネスモデルを推進する絶好の機会となった。セールスフォース(Salesforce)、ネットスイート(NetSuite)、そしてグーグル(Google)などの企業は、顧客がパッケージソフトに一度だけ支払いをするのではなく、月額または年額での支払いに慣れてもらうようにしたのだ。

それから10年以上が経ち、サブスクリプションモデルはクラウドコンピューティング時代を象徴するものになっている。マイクロソフト(Microsoft)やアドビ(Adobe)といった既存企業も、ズーム(Zoom)のような新興企業もすべてこの流れに乗り、サブスクリプションは多くの企業やユーザーがソフトウェアを利用する際のデフォルトになった。

だが、世界的な不況が再び訪れようとしている今、ソフトウェアのビジネスモデルに新たな変化が起こりつつあると業界関係者が述べている。新興のテック系企業は、ソフトウェアの代金を1回だけ請求したり、サブスクリプションとして毎月の利用料を請求したりする代わりに、いわゆる使用量に基づく従量課金モデルを推進しているのだ。

「優れた企業は『さまざまな顧客に対応できるように、さまざまなモデルを用意したい』と考えている。顧客によって求めるものが違うのだから」と、サブスクリプション課金管理会社ズオラ(Zuora)のティエン・ツォ(Tien Tzuo)CEOは語る。

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従量課金モデルは、名称通り顧客が使用した量に応じて金額を請求するというものだ。アマゾンウェブサービス(AWS)などのクラウドプラットフォームは、ホスティングサーバーの使用料を分単位で請求している。またスノーフレイク(Snowflake)など新世代のデータ会社は、プラットフォーム上に保存されたデータ量に対して使用料を請求している。

資金をできる限り有効に使いたい顧客は、このような課金モデルの柔軟性にどうしても引き付けられるようになると専門家は予測している。そうなると、大企業も中小企業も、このモデルについて、少なくとも検討を始めるようになるだろう。

「ビジネスモデルの進化を考えてみると、顧客にとってより親しみやすい存在であることが、常にトレンドとなってきた」とRBCキャピタルマーケッツ(RBC Capital Markets)のソフトウェアアナリスト、リシ・ジャルリア(Rishi Jaluria)はInsiderに語っている。

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