- アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、ワクチン接種を完了したアメリカ人はマスクを着用する必要がないと発表した。
- ただし、民間企業は依然として顧客にマスク着用を要請しなけれならないだろう。
- アメリカ運輸保安庁による公共交通機関でのマスク着用義務は、9月13日まで続けられる。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は2021年5月13日(現地時間)、ワクチン接種を完了した人は屋内外でマスクを着用する必要がないと発表したが、民間企業は引き続き顧客にマスクの着用を要求しなければならないかもしれない。
CDCは、3月以降、アメリカ国内でのワクチンの普及に伴い、マスク着用要件を徐々に緩和してきた。CDCはすでに、ワクチンを接種した人はマスクをしなくても屋内で集まったり、屋外に出たりすることができると述べてきた。そして今回発表された新しいガイダンスでは改めて、COVID-19ワクチンの最終接種から2週間経過した人は、屋内でも屋外でもマスクを脱いでもよいとしている(医療現場を除く)。
しかし、近くの食料品店にマスクなしで駆け込むのはまだやめたほうがいいだろう。店舗や航空会社などの民間企業では、誰がワクチン接種を完了したかを判断するという運用上の問題から、引き続き顧客にフェイスマスクの着用を義務付ける可能性が高い。
いくつかの州では、ワクチン接種の証明となる「ワクチンパスポート」の使用を禁止している。例えば、アリゾナ州では、ダグ・ドゥシー(Doug Ducey)知事が次のように述べている。
「すべてのアリゾナ州民にCOVID-19ワクチンの接種を強く推奨するが、義務化はしていないし、今後もすることはないだろう。ワクチンの接種は、政府ではなく各個人が行うものだ」
このような措置は、企業にとっては、誰がワクチンを接種しているかを確認することが難しく、あるクルーズ会社は、ワクチンパスポートを使用しないのであれば出航しないとしている。
飛行機などの公共交通機関や空港などでは、アメリカ運輸保安庁(TSA)のマスク着用義務が9月13日まで失効しないため、依然としてマスクが必要だ。
CDCのロシェル・ワレンスキー(Rochelle Walensky)所長は、記者会見で「旅行の際には、引き続きマスクを着用するようにしてほしい」と述べた。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)