世界最年少フィンランド女性首相「1日6時間労働・週休3日制」の実現に向け、具体検討要請へ

サンナ・マリーン

2019年12月にフィンランド首相に史上最年少で就任したサンナ・マリーン。

Stephanie Lecocq/Pool via REUTERS

2019年12月に史上最年少の34歳でフィンランド首相に就任したサンナ・マリーンは、8月24日に与党・社会民主党の会合で基調講演に登壇。

党首就任直後に掲げた目標のひとつである「労働時間の短縮」を実現するため、「明確なビジョンと具体的なロードマップ」を打ち出す必要があると強調した。

現地紙「ウーシ・スオミ」の報道によると、マリーン首相の発言の核心部分は以下の通り。

「労働時間の短縮という目標は、決して脇に押しやられるべきではありません。そして、労働時間を短縮することと、高い就業率や堅固な財政を維持することとは、まったく矛盾しないのです」


「社会全体として、企業として、従業員として、それぞれが労働生産性を向上させるために努力する必要があります」


「富を公正に分配する方法のひとつは、労働条件を改善し、収入を減らすことなく労働時間を短縮することです。フィンランドでは、社会民主党が目標としてきた1日8時間労働・週休2日制に移行したあと、賃金は減るどころか、数十年にわたって増え続けています


「さまざまな研究や実証実験により、労働時間の短縮は生産性の改善をもたらし、その効果によって、企業側は6時間の労働に対して8時間分の報酬を提供できることが明らかになっています」

こう述べた上で、マリーン首相は次の党大会の期間中に、冒頭の「明確なビジョンと具体的なロードマップ」を打ち出す方針を明らかにした。

マリーン首相は(首相就任直前の)2019年6月に運輸・通信相に就任した際、1日6時間労働・週休3日制への移行を目指す考えを発表し、議論を巻き起こしていた。

(文:川村力)

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