
- 地球と太陽に驚くほど似ている、居住可能と見られる太陽系外惑星が発見された。
- この惑星は地球の2倍以下の大きさ。公転する恒星の大きさは太陽と同じくらいで、可視光を放射している。
- 太陽系から約3000光年の距離にあるので、将来打ち上げられる高性能の宇宙望遠鏡によって、より詳しく研究することができるようになるだろう。
地球と太陽によく似た、居住可能と見られる太陽系外惑星とその恒星が発見された。
この惑星(今のところは「惑星候補」とされている)の恒星からの距離は、液体の水が存在するのに適している。つまり、生命が宿る可能性があるということだ。その大きさは我々の地球の約1.9倍だという。
「地球の2倍以下の大きさのこの惑星と太陽型の母星の組み合わせが、この惑星を身近なものに感じさせる」と、新しい研究論文の筆頭著者であるルネ・ヘラー(René Heller)博士はプレスリリースで述べた。彼女とマックス・プランク太陽系研究所の研究チームは、学術誌の「アストロノミー・アンド・アストロフィジックス(天文学と天体物理学)」に発表した論文の中で、この惑星と恒星について説明している。
この惑星候補は 「KOI-456.04」と呼ばれ、他の望遠鏡などでその存在が確認されれば、約4000個の太陽系外惑星の一つに加わることになる。
これまでの研究で、この惑星候補の母星で「ケプラー160」と呼ばれる恒星には、2つの惑星が周回していることがわかっていた。しかし、新たな研究ではさらに2つの惑星があることが明らかになった。

惑星が居住可能である条件とは
惑星が居住可能とみなされるためには、液体の水が存在するのに適した温度を維持できる距離の軌道を周回していなければならない。
天の川銀河には、地球のような惑星が100億個以上存在するとされているが、確認されているのは約4000個だけだ。しかも系外惑星の大部分は、生命が存在するために必要な条件を満たしていない。研究者が発見したハビタブルゾーンにあると見られる惑星のほとんどは、不安定な赤色矮星を周回している。赤色矮星は太陽よりも小さくて暗く、赤外線を放射している。また、ときおり高エネルギーのフレアを発生させ、周囲の惑星を焼き尽くすこともある。
太陽に似た恒星を周回している既知の太陽系外惑星も、ほとんどは地球よりもはるかに大きく、通常は海王星(地球の4倍)くらいの大きさだ。これらの大きな惑星は、大気中に多くの水素を保持する傾向があり、そのようなガスの巨人は、液体の水を維持していない。
今度の惑星候補は有望だ

新しい発見は、天文学者が2018年10月に運用を停止したNASAのケプラー宇宙望遠鏡のデータを再調査したことでもたらされた。ケプラー望遠鏡はその役割を、2018年8月に観測を開始したトランジット系外惑星探索衛星(TESS)へのバトンタッチした。
「KOI-456.04」は地球の2倍以下の大きさなので、その大気の構成が地球に似ている可能性がある。さらに、公転する星は太陽の約1.1倍の大きさで、表面温度は摂氏5200度(太陽より300度低いだけ)。この星も太陽と同じように可視光線を発している。
もしKOI-456.04の大気が地球と似ていて、適度な温室効果があるとすれば、その平均表面温度は、地球がおよそ摂氏15度であるのに対して、5度程度だという。

この惑星候補は太陽系から3000光年しか離れていない。
将来打ち上げられる宇宙望遠鏡によって、この惑星候補はさらに研究されるかもしれない。アメリカ航空宇宙局(NASA)、欧州宇宙機関(ESA)、カナダ宇宙庁(CSA)は、2021年にジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を打ち上げる。さらに、ESAが2026年に打ち上げを予定しているPLATO宇宙望遠鏡は、太陽に似た恒星の周りを回っている地球に似た惑星を探査する予定だ。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)