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トヨタ自動車は16日、水素エンジンと同社のハイブリッド技術を組み合わせ、航続距離などを向上させた車両を初公開した。
同システムを搭載した商用車「ハイエース」を静岡県小山町のサーキット、富士スピードウェイで報道陣に公開した。トヨタによると、ハイブリッド車(HV)とすることで1回の水素充てんで走行する航続距離が250キロメートルと従来の車両に比べ25%伸び、加速性能も向上した。
地球温暖化への懸念が高まる中、電気自動車(EV)を重視する欧米勢に対し、トヨタなど国内自動車メーカーの多くはHVを含めた多様な選択肢を追求する「マルチパスウェイ」戦略を掲げてきた。トヨタは燃焼時に二酸化炭素を排出しない水素を燃料とする水素エンジン車についても2021年に技術開発に取り組む方針を発表し、搭載車両を自動車レースやオーストラリアの公道での実証で走らせ改良を進めてきた。
トヨタの中嶋裕樹副社長は記者団に対し、オーストラリアでの水素エンジン車の実証で利用客からは「アクセプタブル(容認できる)」との評価をもらっており、「日常用途に使えるという証明はできている」と述べた。限定された領域では既に市販化できるレベルにあり、今後は「一番の課題」である航続距離を伸ばしていくのが次のステップになると説明した。
今回公開した水素エンジンHVでは、ハイブリッドシステムのバッテリーなどが助手席部分を占拠している。中嶋副社長は本来は利用者や荷物向けのスペースを犠牲にしてしまっては「車の価値がない」とし、今後は助手席の下に収まるサイズに小型化するべく取り組んでいく考えを示した。
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