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ã³ã©ã ãã¹ãï¼Mohamed El-Erian「ファミリーフュード」は、私が子供のころに人気のあったクイズ番組(編集注:「クイズ100人に聞きました」の元になった番組)で、特定の質問にどのような回答があったかを解答者が当てるというものだった。自分の考えを外部の視点から補うことの重要性を、日常的に早くから気づかせてくれた番組だ。
ファミリーフュードのように、米雇用統計が予想を下回った2日以降の相場混乱について市場関係者にアンケートを取ったら、何が世界同時株安を引き起こしているのか、またこれ以上の大きな損失を避けるサーキットブレーカーとしての役割としては何が最善なのかについて、かなり具体的な回答が得られるのではないだろうか。その回答がどのようなものかを考えてみよう。
ファンダメンタルズ的には堅調と思われた株式市場を不安定にした5つの要因がある。以下、重要度の高い順に並べた。
(1)米国の経済成長が鈍化すれば、ここ数年褒めたたえられてきた「米国例外主義」が著しく損なわれるのではないかとの懸念だ。このような減速は企業収益に打撃を与え、世界経済にとって最強の原動力であった米国が傷つく可能性がある。
(2)米連邦公開市場委員会(FOMC)が先週の会合で利下げを見送ったことで、景気下降がさらに深刻化するとの懸念だ。その政策スタンスは現在の経済環境に対してあまりにも抑制的で、再び大きな政策ミスを犯す危険性が高まった。
(3)経済と政策の両方のシナリオが突然変わり、一極集中の投資ポジションが意表を突かれたことだ。この動きは、日本関連のデレバレッジの懸念や、テクノロジー株など市場の特定セグメントにおける高いバリュエーションによってさらに増幅された。
(4)中東紛争の激化リスクを中心とした地政学的な懸念だ。スタグフレーションを招きかねない原油価格の高騰を引き起こし、国際的なサプライチェーンに支障が生じる恐れがある。
(5)11月の米大統領選挙に向けて混乱が予想される国内政治情勢。
では、最適な対応策についての見解はどうだろう。
市場が好んでいるのは、まずFOMCが9月会合での50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)あるいは75bpの引き下げを示唆することだ。次に、その規模の緊急利下げ。その次は、市場を落ち着かせるための金融当局者による口先介入。そして最後に、押し目買いとそれに続くバイデン政権による口先介入だ。後に来るほど重要度は下がる。
筆者自身の評価はどうだろう。最初の要因に関するリストは筆者の考えとほぼ一致するが、対応策については同意できない。
現在の経済状況を考えると、FOMCの介入を必要とする上記の対応策はすべて政策の過剰反応であり、長期的には逆効果になりかねない。先週のFOMC会合を前に、25bpの引き下げで緩和サイクルを開始する必要があると主張した筆者でも、そう考える。
【コラム】FRB、政策ミス避けるチャンスはあと2会合-エラリアン
米金融当局は2018年第4四半期のように市場に強いられるのではなく、静観して市場の過剰反応(国債利回りに表れている)を放置すべきだ。
そのためには、FOMCがより戦略的なガイダンスを実施し、過去データに過剰に依存するこれまでの体質に本格的なフォワードルッキングな(先を見越した)要素を加えることで、政策シナリオの主導権を取り戻すという信頼できる試みを行う必要がある。その努力は、同時に中立金利(政策が景気を抑制も刺激もしない水準)をどの程度と見ているか、国内経済と世界経済で起きている長期的かつ構造的な変化の検証など、いくつかの重要な未解決の政策課題についてより明確にして初めて効果を発揮する。
ジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)でのパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の基調講演は、金融当局が市場の過度なボラティリティーを増幅させる存在ではなく、安定を支える存在として機能し始めるよう、政策シナリオの主導権を握る重要な機会となる。これに失敗すると、2つの不幸な結果を招きかねない。まず、米経済の例外主義、そして米国の国際的地位と世界経済への貢献が損なわれることだ。もう1つは、すでに顕著になっている市場のモラルハザード(倫理観の欠如)に拍車がかかることだ。過剰なリスクテイクから生じる不安定なボラティリティーから人々を守るのはFOMCの役割だと、あまりにも多くの人が思い込んでいる。
ファミリーフュードが行動経済学とファイナンスが提供する洞察の価値に気づくきっかけになるとは、数十年前には知る由もなかった。何が期待されているのか、その期待がどのように行動に影響を与えるのか、そしてその期待が適切と考えられる行動からどの程度かい離しているのかを問うことは常に重要だ。また、期待されるものと適切なものが収束しない場合に生じるリスクを認識することも重要だ。
(モハメド・エラリアン氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストです。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)
原題:The Fed Should Resist Placating Markets: Mohamed A. El-Erian(抜粋)
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