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ニューヨーク時間11日朝の外国為替市場で円相場は対ドルで急伸。6月の米消費者物価指数(CPI)統計が市場予想を下回ったことに反応した。上昇率は2%を超え、一時157円44銭を付けた。CPI発表前は161円台半ばで推移していた。
神田真人財務官は日本時間11日夜、円相場の急伸を受け、為替介入の有無についてはコメントする立場にないと述べるにとどめた。同省内で記者団に語った。
神田財務官は米CPIを見て合理的に判断したか、それ以外の力が働いたとの市場の見方があると指摘。足元の為替の動きはファンダメンタルズに沿った合理的な動きとは言えないとし、投機が支配しているマーケットになっていると言われていると語った。
その上で、円安の国民に対する影響は無視できないとした上で、少しコレクションがあってもよかったと思っているとの見解を示した。
為替介入の有無「コメントする立場でない」と神田財務官-一時157円台
ラボバンクの外国為替戦略責任者ジェーン・フォーリー氏は「変動の大きさは確かに介入が入った可能性を示唆する。かなり迫力がありトレーディングデスクには波紋が広がった」と語った。
一方で持続的な円上昇は日米の金融政策シフトがある場合に限られる公算が大きいと、ロード・アベットのポートフォリオマネジャー、リア・トラウブ氏は指摘する。米国債利回りはここ数週間で低下しているものの、米10年債と日本国債の利回り差は過去10年間の長期平均をなお大きく上回っている。
ブルームバーグのストラテジスト、キャメロン・クライス氏は「4月から5月にかけての行動は効果が限定的であったことを考えると、財務省は追い風が吹いている時、言い換えればすでにドル・円を押し下げる他の要因が働いているときに行動することを好むだろう」と指摘。「まさにきょうの動きがこれに当てはまり、さらに積極的な米金融緩和見通しが市場で受け入れられるにつれ、ドル・円がどこまで下げ得るのかと考えるのは妥当な疑問だ」と記した。
米インフレ鈍化
米国のインフレは6月、広範囲に鈍化。住居費の減速が目立った。CPIは前月比0.1%低下。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.1%上昇だった。
変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.1%上昇。市場予想は0.2%上昇だった。前年同月比では3.3%上昇と、3年余りで最も低い伸び。市場予想は3.4%上昇だった。
キーポイント |
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今回のCPIは、米金融当局にとっては近い時期に利下げが可能という自信を一段と深めさせる内容となった。
6月米CPIに関する市場関係者の見方は以下の通り。
◎キャピタル・エコノミクスのポール・アシュワース氏:
さらなる良好なデータに当てはまる。連邦準備制度理事会(FRB)当局者らが労働市場軟化への不安をやや深めるようになったのは明らかだが、CPIは9月利下げの論拠を確実に強める。
◎モルガン・スタンレー傘下Eトレード・ファイナンシャルのクリス・ラーキン氏:
7月利下げの可能性は依然低いが、CPIがFOMCの想定に沿う内容となったことで、9月利下げには一歩近づいた格好だ。これから9月までに多くのことが起こり得るが、大半のデータが「ホット」な領域に戻らない限り、FOMCが利下げしない論拠はもはや正当化されないかもしれない。
◎ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのマルチセクター債券投資部門責任者リンゼイ・ロスナー氏:
一言で言えば極めて重要な役割を果たす。今朝から9月のFOMC会合までに3つのインフレ指標が発表される。インフレがなお正しい方向に進んでいるとの確信を米金融当局が得る上で、きょうの数字は極めて重要だった。
◎LPLファイナンシャルのチーフ・グローバル・ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏:
CPI減速で9月利下げが明確に視野に入ってきた。市場にとっては、利下げの根拠が景気減速ではなく、インフレ圧力の着実な低下の方が好ましいのは言うまでもない。
◎ トレードステーションのデービッド・ラッセル氏:
住宅の在庫が増えている現状を考慮すると、物価指数の中で大きな部分を成す住居費はようやくFRBに利下げの要件を与え始めたようだ。ゴルディロックスがやってきた。9月利下げの見通しはこれまでになく強い。
原題:Yen Jumps 2% After US Inflation, Fueling Intervention Jitters、Yen Soars Over 2% as Japan’s Kanda Plays Coy on Intervention、Yields Sink as CPI Puts September Fed-Cut in Play: Markets Wrap(抜粋)