米国の黒人、白人と同じ生活水準にはあと300年必要－マッキンゼー

米国の黒人が白人と同じような生活の質を実現するにはあと３世紀かかると、コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーが分析した。この10年間で人種間格差が拡大した地域も多い。

　　マッキンゼーの新たな報告書によれば、2012年から21年にかけての生活の質に関する指標の変化率に基づくと、ルイジアナ州カドー郡のような地方に住む黒人が平等を達成するには、およそ320年かかる。ニューヨークやサンフランシスコなど黒人にとってはより住みやすい大都市でさえ、格差解消の実現には160年が必要だという。

　　また、過去10年間で人種間格差が縮小した郡は全米の48％にとどまり、黒人が多く住む郡でも平等を達成した郡はなく、平等に近い37郡に住む黒人が全米の黒人に占める比率はわずか0.1％だった。

　　同報告書は格差是正を期待できる解決策として、所得格差が混在する地域での手頃な価格の住宅提供や保険に加入していない国民向けの健康保険、質の高い幼児教育プログラムの拡大などを挙げた。

原題：Black Americans Face 300-Year-Wait for Parity, Says McKinsey　（抜粋）