サウジがイランに投資提案、イスラエル・ハマス戦争の拡大阻止目指す

サウジアラビアは西側諸国から経済制裁を受けているイランに対し、協力関係の強化および投資を提案していた。複数の当局者が明らかにした。イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦争がより広範な紛争に発展するのを阻止することが狙いだいう。

　　事情に詳しいアラブ諸国と西側諸国の当局者によれば、ハマスによる先月の奇襲攻撃以降、サウジはイランに直接提案しているほか、他にも複数の手段を通じて働き掛けている。

　　アラブ連盟とイスラム協力機構（ＯＩＣ）が今月にサウジの首都リヤドで開催した緊急合同首脳会議の際にも、イランのライシ大統領とサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子の間で関与強化の可能性が浮上したという。機密性の高さを理由に当局者らは匿名で語った。

　　融和的な働き掛けと並行し、サウジは別の方向性も模索している。リーフ米国務次官補（中近東担当）によると、米国はサウジや他のアラブ諸国と協力し、レバノンやパレスチナ自治区、イラク、シリア、イエメンに至る地域の武装勢力をイランが強化するのを阻止しようとしている。

　　サウジ外務省当局者と在米サウジ大使館の報道官にコメントを求めたが、現時点で返答は得られていない。

　　イランがサウジの提案をどれほど真剣に受け止めているかは不明だが、今のところ地域への紛争拡大は回避されている。

原題：Saudi Arabia Offers Iran Investment to Limit Israel-Hamas War（抜粋）