米当局、全ての預金保護の方法を検討－危機拡大に備えて

米当局は米連邦預金保険公社（ＦＤＩＣ）の預金保護を一時的に預金全額に拡大する方法を検討している。米中規模銀行の団体、ミッドサイズ・バンク・コーリション・オブ・アメリカ（ＭＢＣＡ）は金融危機が拡大した場合の予防に必要だとして、米銀行当局に対しＦＤＩＣの預金保護を２年間にわたり預金全額に広げるよう求めていた。

　　米財務省スタッフは連邦規制当局が議会承認を経ずに、現行の預金保護上限である25万ドル（約3280万円）を超える分についても一時的に保証するのに十分な緊急権限を有しているかどうかを検証している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

　　部外秘情報を理由にこれら関係者が匿名を条件に明らかにしたところでは、今月、預金引き出し需要への対応力を高める措置を講じた後であるため特に、当局は預金保護の一時的拡大をまだ必要とはみていない。しかし状況悪化に備えて戦略を策定しているという。

　　ホワイトハウスのマイケル・キクカワ報道官は同措置が検討されているかどうかについて直接言及せず、「われわれはコミュニティーバンク支援に向け、持っている手段を活用するだろう」と発言。「先週末に米政権と当局が断固たる措置を講じて以来、全米の地銀の預金は安定しており、一部のケースでは預金流出の流れはやや反転している」と話した。

　　ＦＤＩＣの預金保護拡大で検討されている法的枠組みの一つは、為替安定化基金（ＥＳＦ）を裏付けに緊急措置を講じる財務省権限の活用だと関係者らは語った。

　　ＦＤＩＣと連邦準備制度の担当者は共にコメントを控えた。

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原題：US Studies Ways to Guarantee All Bank Deposits If Crisis Expands（抜粋）