Rakontanto de ludo

Peace cannot be kept by force. It can only be achieved by understanding.

【PS5】『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』クリアレビュー

概要

31年前の1993年12月10日に発売された「ロマンシング サガ2」の完全フルリメイク『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』をクリアしました。

大体32時間ほどでした。

2024年10月24日に発売となったものの、直後にモンハンワイルズのOBTが始まり中断し、再開するも11月14日からのDQ3リメイクでまたも中断し、ようやく再開してクリアまでたどり着きました。

原作をプレイしたことはなく、ロマサガは3からプレイしていますが、七英雄という存在に関してなど耳にすることは多く、BGMなどは聞いたこともありました。ストーリーやシステム面については未知でしたが、体験版があったのでやってみたら非常に楽しめたので製品版も期待していた、という次第です。

あまり点数とか順位をつけるのは好きではないのでざっくりとした感想にはなりますが、不満点は多々ありつつも最後の最後に良い終わり方をして満足した、という感じです。

あと、エンディングまでのネタバレはありますので閲覧に関してはご注意ください。

GOOD

体験版のクリアレビューも参考までにリンクを貼っておきます。似た感想が繰り返しになるかもしれませんがご容赦ください。

www.blog-tmp.tokyo

キャラクターデザイン

体験版の時も感じましたがキャラクターデザインは最高です。キャラクターデザインは個人的に美男美女でお願いしたいというのが本音で、昨今のポリコレなどの話で残念な見栄えになるのは本当にどうにかして欲しい。

ゲームの中くらい夢を見てカッコいい男が活躍したり、美女と旅をしたりしてもいいじゃないですか。なんでそれがダメなのか全く理解できぬ。

DQ3ではポリコレに負けてリベンジオブザセブンでは女性キャラの見た目はかなり攻めていたのは同じ会社の作品とは思えない感じです。

最終皇帝(女)は最高だった

BGM

サガシリーズは伊藤賢治さんという方がゲーム内のBGMを作られており、サガシリーズの曲はどれもテンションの上がる神曲とも言えるものばかりです。

ロマサガ3の「四魔貴族」は間違いなく歴史に残るべき曲ですし、今作ロマサガ2の「七英雄」との戦いや「ラスボス戦」の曲も素晴らしい曲だと思います。

個々のイベントにおける物語

BADのところに書きますが、全体のストーリーとしては致命的に自分の価値観に合わない部分があって途中でやめようかと本気で思ったほどいいと思えないシステムがあるのですが、それぞれの街やダンジョンなどでのイベントや七英雄の記憶などパーツとして用意されているエピソードはとても魅力的で良いストーリーだと思いました。

そのパーツを結びつけるシステムが個人的には破綻していたと思っているので、ロマサガ2全体の物語としてはいまいちな感想を持ちました。

ブログを書く上では個々のエピソード単位で書くので書きやすく楽しい作業ではありました。(まだ道半ばですけど)

エンディング

そんな本作のストーリーですが、エンディングはとても良かったです。数百年にわたる長き時を経て戦いが続くのですが、その終わりを見事に描き切っていると思います。

この物語は最初に街の酒場で子供が詩人に「話を聞かせて」という形でアバロンの物語を語る形で始まるのですが、最後に七英雄を倒して皇帝が退位して共和国になった、という締めくくりをすると最終皇帝がカウンター席で飲んでるのです。

実は物語の始めの時からいたらしいのですが、全然気づきませんでした。そしてそこから玉座までアバロンの街や王宮を歩いていきこの記事のトップに貼ってある玉座のところでFinの文字が出るまでの流れがとても良いです。

歴代の皇帝とその皇帝の成し遂げたことも年表のように表示されていくので、そちらもいずれ記事にします。

いろいろRPGでエンディングを見てきましたが、本作のエンディングはとても良かったです。数百年に及ぶ戦いの終幕としていい感じに終わりました。

BAD

年代ジャンプ

本作は年代ジャンプと呼ばれるシステムがあります。特定のイベントまで進めると50〜100年程度時間が経過します。皇帝は強制的に新しい人を選ぶ必要があり、パーティのメンバーも全員入れ替えです。

装備やスキルが引き継がれるのですが、いちいちパーティ編成し直して装備や技を付け替えたりしないといけないので手間とかもありますが、そもそもいくつか気になるところがあります。

キャラへの愛着が湧かない

自分にとってRPGをはじめとするゲームにおいて一番大切なのがキャラへの愛着です。最初に使い始めたキャラがだんだんと成長していき、新たな力を身につけて最後は強大な敵を倒す、という王道ではありますが安心できるストーリーが一番ゲームをやっていて楽しい時間であるはずなのに、その部分がざっくり切り取られてしまいます。

定期的にパーティが総入れ替えになるのでここのキャラの名前などもろくに覚えないまま進みますし、主人公(操作キャラ)の皇帝も変わるのでなんか地に足がつかない状態で進んでいる気がしてきます。

キャラのその後は?

年代ジャンプをしてすぐに次の人たちにバトンタッチします。今まで操作していたキャラはその後どんな人生を歩んで次の世代に移り変わってきたのか、そういうところが完全に欠落しています。

前項の愛着が湧かない、という点にもつながりますがもう少し各キャラを丁寧に扱えた方が良いと感じました。

文化的・科学的発展がない

10年ひと昔と言いますが、10年前の文化や科学技術的なことと今を比べると相当変化があると思います。もちろん近代から現代に至っては科学技術の発展がものすごい勢いで成長しているので、例えば江戸時代の300年の変化を見ればあまり変わっていないのかもしれませんが、それでも300年あれば世の中も変わっていると思います。

年代ジャンプにはそれが全く感じられず、ついさっきまでの街中の様子がそのままなのに100年後とか言われても実感がありません。500年経てばさすがに街並みも変わるでしょうし、建物なども作り替えられたりしているはずなのに全く同じ状態です。そのあたりに違和感を感じました。

七英雄との戦いは?

そんなわけで50年とか100年とか飛ぶと、その間に七英雄との戦いは全く行われません。50年何事もなく過ごしているならそれはバレンヌ帝国にとって七英雄はそれほど大きな問題ではないのではないかと思います。

七英雄側も仲間が倒されているのに数百年もの間知らぬ存ぜぬでお互い別々に過ごしている点も微妙な感じです。本当に脅威なら1年か2年の間に全部戦うとかするんじゃないかと思うんですよね。

細かい疑問点

詰まるところ年代ジャンプというシステムの採用により本来描かなくてはならないエピソードが明らかに増えるのに端折ってしまっているのでかなり細々と不明点が出てきます。

七英雄のなぜ

七英雄の記憶による回想シーンでは、七英雄は英雄であり救世主でもあります。それなのに大神官により邪魔者扱いされて実験中の次元転移装置により別の世界に飛ばされてしまいます。

自分たちを目の敵にして異世界にてんせいさせたちょうほんにんである大神官たちが復讐の相手であったはずなのに、いつの間にかその他多勢の人たちがターゲットになっていました。

伝承法のなぜ

タイトルのままなんですが、最終皇帝が誕生したところでオアイーブが現れて最終皇帝はもう伝承法で次の皇帝に引き継ぐことができないとなったのでしょうか。

自分で考えた考察はあるのですが、まあ自分の中で納得できればそれでいいので公表することはありませんが、それぞれ物語を知った人たちが自分なりの結末を予想してみるのも楽しいとは思います。

オアイーブのなぜ

七英雄の記憶を見てオアイーブとノエルの間には単なる幼馴染や親友という立場を超えて「恋」と呼べる感じになっていたのに、帝国歴1000年にレオン皇帝に七英雄による危機を話し、伝承法を伝えます。

なぜ七英雄側の人であろうオアイーブが帝国に味方するようなことをしたのか、そのあたりがもう少し見たかったです。

オアイーブ自身が古代からレオンの時代、そして最終皇帝の時代に現れたのは次元転移装置を使用してるのでしょうか。そのあたりの話も見てみたいです。

大神官たちのなぜ

オアイーブの父親である大神官やその配下の者たち、いわゆる古代人は災厄から逃れるために次元転移装置を用いて別世界へと転移した、という話です。

スービエとの戦いの時も七英雄が戻ってきた時には古代人が別世界へ行ってしまってたと言ってましたし。結局、大神官が一番の悪という感じでしたが、その黒幕の行方を見届けたいですね。

EXPECT

今回は期待したいことにも言及しておこうかと思います。

七英雄を題材に

リメイク版は七英雄の記憶という形で断片的に15のエピソードを見ることができました。原作にはなかったようなので、これだけでもかなり七英雄の裏側の物語を垣間見れたのだと思いますが、描かれた七英雄はどれも魅力的なキャラクターになっており、できればもっとたくさんの物語が見たかったです。

この七英雄を主役にした外伝的な作品があっても良いな、と考えています。

ジェラールの代で

年代ジャンプには懐疑的な印象しかないのですが、ぶっちゃけて言えばなくてもいいシステムなのでジェラールの代で全てのイベントや七英雄との戦いが行われる形でも十分に描き切れるのではないかと思います。

密度の濃いストーリーになると思うのでそう言った切り口での展開があっても良いと思いました。

総括

いろいろ書きましたが、年代ジャンプというシステムそのものは悪ではなく、うまく活用できていない、と考えています。

例えば年代ジャンプはするものの、それまでの皇帝や仲間たちの人生をきちんと描くようなちょっとしたエピソードがあるだけでもかなり変わってくると思います。

まだもう少しストーリーは残っているので最後までプレイ日記を書き上げていきたいと思います。クリア後の展開も少しはあるので当面はロマサガ2の記事を出していこうと思います。

今後ともよろしくお願いします。