ビジネスパーソンは、報告書やメールなど、正しく情報を伝える文章力が求められます。そうはいっても、文章を書くことに自信がない方も多いのではないでしょうか。そこで、こちらの記事では、読みやすくわかりやすい文章の書き方とコツをご紹介します。文章の基本をおさえ、正しい文章の書き方を身につけましょう。
読みやすくわかりやすい文章とは
読者にとって読みやすい文章とは、「結論が明確であり、その理由や原因がわかりやすい」文章です。例えば、商品を紹介する記事の場合は、読み手が思わず購入したくなるような商品の効果が明確に述べられ、その効果を裏付ける根拠が提示されている文章です。
では、読みやすく分かりやすい文章を書く文章力を上げるには、どうすればいいのでしょうか。
読みやすくわかりやすい文章の書き方の基本とコツ
読みやすくわかりやすい文章を書くためには、書き方の基本をおさえる必要があります。ここからは、正しい文章の書き方の基本とコツをご紹介します。
文章を書く前の準備
読みやすい文章を書くためには、書く前の準備が重要です。文章を書く前に、以下の2点を行いましょう。
- 誰に何を伝える文章なのかを明確にする
- 文章の構成をつくる
1は、文章の内容と書き方を決定するため、2は、読みやすい文章を作るために必要です。それぞれのポイントについて詳しくご紹介します。
誰に何を伝える文章なのかを明確にする
1つ目のポイントは、誰に何を伝える文章なのかを明確にすることです。これは、文章の内容と書き方を決めるために必要な準備です。
例えば、報告書であれば、書くべき内容は結果と結果に対する考察であり、その内容を正確に伝えられる書き方にすべきです。一方、商品を売るための記事であれば、書くべき内容は商品の情報や概要、また利用者の意見であり、読み手が思わず買いたくなるような文章を書く必要があります。
このように、何を伝える文章なのかによって、書くべき内容と書き方が異なります。文章を書き始める際は、文章の目的を明確にし、その目的に応じた内容と書き方を選びましょう。
文章の構成をつくる
2つ目のポイントは、文章の構成を作ることです。すなわち、導入文や結論などの要素を組み合わせ、文章全体の流れを決めることです。
文章の構成を考える際は、基本構成である「起承転結」を意識することが重要です。起承転結をビジネスシーンに当てはめた場合は、以下の流れになります。
- 起:市場の現状や条件
- 承:問題提起
- 転:「承」の問題に対する解決法
- 結:結論
「起」は、市場の現状や条件について解説する部分です。「承」では「起」における問題を明確にし、「転」でその問題に対する解決法を提示します。そして、「結」は提案した内容をまとめる部分です。
ただし、ビジネス文書を書く際には、この起承転結にとらわれることなく、まず結論を記載することを求められます。提案書などのビジネス文書では、ビジネスパーソンが素早く内容を把握できることが重要だからです。
文章の書き方の基本ルールと例文
書く準備が整ったら、実際に文章を書いていきましょう。文章を書く際は、以下の5点の基本ルールを意識することで、読みやすい文章を作成できます。
- 主語と述語が対応しているかを確認する
- 小学生でも理解できる言葉を使う
- 一文を短く簡潔にする
- 結論を最初に書く
- 句読点は正しく必要最低限に抑える
では、それぞれの基本ルールについて、例文を交えてご紹介します。
1.主語と述語が対応しているかを確認する
ポイントの1点目は、主語と述語が対応しているか確認することです。具体例で見てみましょう。
例1:私の趣味は、花を育て、よく友人にプレゼントします。
例1では、主語が「私の趣味は」であるのに対し、述語が「プレゼントします」となっています。このように主語と述語が対応してないと、読み手は混乱してしまいます。
主語と述語を正しく対応させた文章に修正すると、「私の趣味は、花を育てることです。育てた花をよく友人にプレゼントします。」となります。
2.小学生でも理解できる言葉を使う
ポイントの2点目は、必要以上に難しい言葉を使わないことです。特に、初心者向けの文章や記事を書く際に難しい言葉を使うと、読み手はその言葉の理解に苦しみ、結果文章を理解できなくなってしまいます。文章を書く際は、小学生でも理解できるような言葉を用いましょう。
どうしても難しい言葉や専門用語を使う必要がある場合は、その言葉に注釈をつけ、理解しやすいように工夫しましょう。
3.一文を短く簡潔にする
ポイントの3点目は、一文を短く簡潔にすることです。具体例で見てみましょう。
例1:私の趣味は、花を育て、プレゼントすることであり、友人の誕生日に花束を持っていくと喜ばれます。
例のように、一文に多くの情報を詰め込むと、文章が複雑になり、何が言いたいの伝わりにくくなります。
例2:私の趣味は、花を育て、プレゼントすることです。友人の誕生日に自分が育てた花束を持っていくと喜ばれます。
このように2文に分けることで、文章が簡潔になり、伝わりやすくなります。また、一文を短くすると主語と述語が対応しているか確認しやすくなります。
4.結論を最初に書く
ポイントの4点目は、結論を冒頭で述べることです。具体例で見てみましょう。
例1:彼は、ゴミ拾いのプロジェクトに参加し、その際に、スーパーの袋が多かったことに気づいたため、スーパーの袋を有料化すべきだと指摘しています。
例1では、「彼はスーパーの袋の有料化を指摘している」ことが結論です。しかし、文章が長く、最後まで読み進めないと何を伝えたい文章なのか把握できません。上述のように、報告書や提案書などのビジネス文書は素早く内容を把握することが重要であり、例1の書き方は適切ではありません。
この場合は、例2のように、「指摘している」ことを冒頭で述べましょう。
例2:彼はスーパーの袋を有料化すべきだと指摘しています。その理由は、ゴミ拾いのプロジェクトに参加した際、ゴミの多くをスーパーの袋が占めていたためです。
5.句読点は正しく必要最低限に抑える
ポイント5点目は、句読点のルールです。具体例で見てみましょう。
例:私は泣きながら話す友人を見守った。
例のように句読点を使わないと、誰が泣いているのか把握できず、読み手は誤って意味を解釈する恐れもあります。この場合、「友人」が泣いているのであれば、「私は、泣きながら話す友人を見守った」と、正しく句読点を使いましょう。
質が上がる文章テクニックと例文
これまでは、基本的な文章の書き方について解説しました。ここからは、ワンランク上の文章力を身につけるテクニックについて解説します。文章のテクニックを磨く場合は、以下の5点を意識しましょう。
- 「〜ということ」「〜である」を削る
- 同じ言葉の繰り返しをやめる
- 箇条書きを活用する
- こそあど言葉はなるべく使わない
- 同じ文末表現を続けない
では、それぞれのテクニックについて詳しくご紹介します。