STAP細胞の存在を確かめる検証実験について、理化学研究所は8月27日、東京都内で記者会見を開き、中間報告を行った。
検証実験の責任者である丹羽仁史・CDBプロジェクトリーダーは、これまでの実験について「ポジティブな反応を得ていない」と説明。記者から「STAP細胞はできていないのか」と問われると、丹羽氏は「今日発表した条件ではできていない」と答えた。
これまでの検証実験は、一般的な実験マウス(C57BL/6)を使って、小保方晴子ユニットリーダーらの論文に記載されている手法で、22回行ったという。しかし、STAP細胞の存在を示すような結果は得られていない。今後はこれまでと違うマウスを使うなど、異なる手法で引き続き検証するという。
一方で、実験を統括する相澤慎一・理研CDB特別顧問は、「STAP細胞があるかないかという質問に答えることはできない」「最終報告ではない」「まだ検討中」と繰り返し述べ、当初の予定どおり、検証実験を3月まで継続する意向を示した。
また、小保方晴子ユニットリーダーについては、7月から検証実験に参加したばかりで、「フルに実験を進められる状況ではなかった」と説明。小保方リーダーが行った実験の結果は、「まだ予備実験の段階なので公表できない。公表すれば誤解を与える」と述べた。
会見の最後、相澤特別顧問は「最後に一言」と、次のようなメッセージを読み上げた。
「本検証実験を個人の研究としてではなくて、理研CDBとして行うことに疑義が呈されていることは、重々承知しており、統括責任者として重く受け止めている。論文が撤回された以上、STAP細胞がないこと、検証実験に意味がないというご意見も、十分認識している。小保方が実験に参加することについての疑義も、承知している。
しかし、理研CDBは、実験を1年かけて、3月までに行うこととし、小保方を参加させたうえで最終的に決着をつける道を選んだ。検証をこのように行うことの可否は、のちの判断に委ねたい。ただ、総括責任者として、CDBで行われたSTAP研究がどのようなものであったか、疑義を含めた問題の全貌解明に本検証実験は必須であると考えている。3月までに一定のめどを付けられると確信している」
中間発表の報告資料は、理研の公式サイトでダウンロードできる。URLは下記のとおり。
http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20140827_2/