バイデン米大統領、高まる民主主義への脅威を警告 ノルマンディー上陸作戦80周年

ノルマンディー上陸作戦80周年の記念式典で握手するバイデン米大統領(中)とウクライナのゼレンスキー大統領

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画像説明, ノルマンディー上陸作戦80周年の記念式典で握手するバイデン米大統領(中)とウクライナのゼレンスキー大統領(6日、フランス・サンロランスルメール)

ジョー・バイデン米大統領は6日、第2次世界大戦のフランス・ノルマンディー上陸作戦から80年を記念する現地式典に出席し、ロシアのウクライナ侵攻と第2次世界大戦の類似点を指摘した。式典では、作戦に参加した数人の元兵士に、フランス政府から最高位の勲章が贈られた。

バイデン大統領は、上陸作戦に参加したアメリカ兵9388人が埋葬されている場所のすぐ近くで演説し、世界中の民主主義が再び脅威にさらされていると警告。第2次世界大戦におけるファシズムとの戦いと、現在進行中のウクライナ戦争との関連性を繰り返し強調した。

戦死したアメリカ兵の小さく白い墓石が点在する野原を前に、大統領は「ウクライナで何が起こるか、世界の独裁者たちは注視している」と指摘。アメリカがこの紛争から「手を引くことはない」と誓い、「もし手を引けば、ウクライナは征服され、そこで終わらない。ウクライナの隣国が脅かされ、ヨーロッパ全体が脅かされる」と警告した。

大統領は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を「独裁者」と呼んで非難し、世界各地で台頭する反民主的な勢力に対抗するよう、西側指導者の結束を呼び掛けた。

バイデン氏はさらに、ノルマンディー上陸作戦に参加した「崇高な仲間」を「英雄」と呼び、「そのために戦い、死ぬに値するものがあるのだと、彼らは疑いようもなく承知していた。自由にはその価値がある。民主主義にはその価値がある。アメリカにはその価値がある。世界にはその価値がある」と強調した。

1942年生まれのバイデン大統領は、フランスをナチス占領から解放した80年前の作戦当時に生きていた、最後のアメリカ大統領となる可能性が高い。

80年前の1944年6月6日、アメリカ、イギリス、カナダ、フランスの連合軍の15万人以上がフランスの五つの浜辺に上陸した。

作戦に参加した数人にフランスのエマニュエル・マクロン大統領は、レジオンドヌール勲章(フランスで民間人に与えられる最高位の勲章)を授与した。

元米兵に勲章を授けるマクロン仏大統領

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この日の記念式典には、イギリス国王チャールズ3世、カナダのジャスティン・トルドー首相など、多くの世界の指導者が出席した。

「ウクライナの人々の勇気に感謝する。私たちはここにこうしている。弱くなったりしない」とマクロン大統領は述べた。式典にはウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も出席し、各国の指導者は総立ちで拍手を送った。

2022年にウクライナ全面侵攻を開始したロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、この日の式典に招待されなかった。

第2次世界大戦において、ロシアは連合国にとって重要な同盟国だった。連合軍がノルマンディー上陸作戦を経て西部戦線で進軍したことと合わせて、ロシアが東部戦線で勝利したことは、ナチス・ドイツを屈服させる上で不可欠な要素だった。

(英語記事 Biden links WW2 and Ukraine war in D-Day address)