ローマ教皇、ガザでの戦闘停止と人質解放を呼びかける クリスマス演説

ローマ教皇フランシスコ

画像提供, Reuters

画像説明, ローマ教皇フランシスコは25日、毎年恒例のクリスマス・メッセージを読み上げた

キリスト教カトリック教会のローマ教皇フランシスコは25日、ヴァチカンにあるサン・ピエトロ大聖堂で毎年恒例のクリスマス・メッセージを読み上げた。その中で、パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘の停止と、ハマスに拘束されているイスラエル人の人質の解放を呼びかけた。

ローマ教皇はメッセージの中で、「絶望的な人道的状況」を解決するため、ガザ地区へのさらなる支援を呼びかけた。

10月7日のハマスによる奇襲では、イスラエル側で約1200人が殺害され、約240人が人質に取られた。これを受け、イスラエルは報復作戦を開始した。それ以降、ガザ地区では2万人以上が死亡していると、ハマスが運営するガザ地区の保健省は発表している。イスラエルによると、132人がいまもガザ地区で拘束されている。

ローマ教皇はサン・ピエトロ大聖堂に集まった数千人の礼拝者を前に、イスラエル人とパレスチナ人の双方に対する暴力行為を嘆いた。

「私は10月7日に起きた忌まわしい攻撃の犠牲者の悲しみを胸に刻み、いまだ人質となっている人々の解放のための緊急の訴えを繰り返し強調する」

「私は罪のない一般市民の犠牲者を出すという恐ろしい事態を招いた軍事作戦を停止するよう訴える。そして、人道援助の提供を開始し、絶望的な人道状況を解決することを求める」

世界各地の紛争に言及

ローマ教皇は世界各地の紛争にも言及。ロシアとの戦争が2年近く続く「ウクライナの平和」の実現を訴えた。

また、長年にわたる戦争や騒乱に揺れるシリアやレバノン、イエメンで「近いうちに政治的、社会的安定が達成されるよう」祈るとも述べた。

さらに、係争地をめぐる紛争が続くアルメニアとアゼルバイジャンや、アフリカの一部地域、朝鮮半島問題などについても、平和的解決を願うとした。

世界中の何百万人もの移民をめぐっては、「絶望の中、希望を求めて進んだ困難な旅路で」命を落とした人々を「今日の小さなイエス」と呼んだ。

(英語記事 Pope: Free Israeli hostages and end the Gaza war)