ロシア、前線から退く自軍兵士を処刑=米高官

Charred trees, a lone Ukrainian flag and the remains of a destroyed building in Avdiivka, Ukraine

画像提供, Getty Images

画像説明, ウクライナ東部の町アウディイウカでは激しい戦闘が続いている

ウクライナ東部で激戦による死傷者が増えるなか、ロシアは前線から退却しようとする自軍兵士を処刑していると、米政府高官が26日の記者会見で述べた。

ロシアとウクライナの両軍は今月中旬から、ウクライナ東部の町アウディイウカをめぐって激しい戦闘を繰り広げている。

ロシア軍はこの戦闘で「相当の」損害を被っているとみられている。ウクライナはロシア軍の死傷者を5000人と推定。アメリカはロシアが「少なくとも」125台の装甲車と1個大隊分を超える装備を失ったとしている。

そうしたなか、米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は、アウディイウカ周辺でのロシア軍の死傷者について、一部は「ロシア軍の指導者の命令」によるものだと述べた。

カービー氏はまた、「動員されたロシア部隊は、昨冬の攻勢で失敗した時と同様、訓練も装備も戦闘準備も足りていない」と分析。

「(ロシア軍は)人海戦術を取り、まともに訓練されていない兵士を多数、戦闘に投入している」、「適切な装備も、指導者も、資源も、支援もない。ロシア軍が士気の低下に苦しんでいるのは当然だ」と付け加えた。

<関連記事>

ウクライナ軍の報道官も、ロシア軍の兵士たちはアウディイウカ周辺で、ウクライナ軍陣地を攻撃するのを拒否していると説明。一部の部隊では反乱が起きていると述べた。部隊に大きな損害が出ているためだとした。

アウディイウカは、ロシア軍が占領しているドネツク市に近い。ロシアがここを押さえれば、ウクライナはドネツク州でのさらなる前進が難しくなる。

アウディイウカの住民約3万人は、ほぼすべて町外に避難している。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は今週、ロシアの激し攻撃が続くこの町の状況を「かなり厳しい」と表現した。

(英語記事 Russia executing own retreating soldiers, US says)