オミクロン株「XBB.1.16」系統の感染、インドで増加 新型コロナウイルス 

Covid-19 mock drills

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画像説明, インドではこのところ、オミクロン株「XBB.1.16」系統の感染者が増えている

インドで新型コロナウイルスのオミクロン株「XBB.1.16」系統の感染が増えている。これを受けて保健省は、治療体制を確認するため、10日と11日に各地の病院で感染者対応の予行演習を行った。

インド政府の統計によると、9日の新規感染者数は6000人。発症中の感染者数合計は3万5000人。オミクロン株「XBB.1.16」系統が、感染者増加の主な要因となっている。世界保健機関(WHO)は、この系統がインドで広がる様子を注視しているという。

感染症の専門家たちによると、「XBB.1.16」系統の致死性は低い。WHOのマリア・ヴァン・カーコフ氏は「XBB.1.16」について「数カ月前から出回っているが、個人や集団で症状の厳しさに変化は見られない」と説明しつつ、監視を継続していると説明していた。

インドでは数週間前から感染者が急増しているものの、入院患者は特に増えていない。

インドは2020年と2021年に深刻な感染被害に見舞われた。医療用酸素や集中治療用の病床が不足したことで、被害が悪化したと、政府は批判にさらされた。

それだけにインド政府は現在の感染者増加を受けて、マンスク・マンダヴィヤ保健相を先頭に、全国的な治療体制の点検に乗り出した。保健省が主導する病院での診療体制チェックと予行演習には、公営だけでなく民間の病院も参加している。

保健相は今月7日にはオンライン会議で、各地の保健当局者に、呼吸器系関連の疾患を追跡することで、感染者が集中しそうな地域を特定するよう求めた。さらに、新型コロナウイルスの検査とワクチン接種を増やすよう求めた。

Healthcare workers wait for the health minister's inspection, outside the hospital building as coronavirus disease (COVID-19) cases rise in the country, in New Delhi, India, April 10, 20

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画像説明, 保健省の点検を待つ病院関係者(10日、ニューデリー)

マンダヴィヤ保健相は、公共の場所でのマスク着用など、感染対策に適した行動について市民にあらためて周知する必要性も強調した。

一部の州ではすでに、公共の場所でのマスク着用を義務化し、感染対策に従うよう市民に呼びかけている。

インドでは昨年12月にも、隣国・中国での感染急増を受けて、監視体制を強化していた。

(英語記事 XBB.1.16: India hospitals on alert as Covid-19 cases rise)