ウクライナの穀物載せた最初の貨物船、オデーサを出港

The ship leaving port in Ukraine

画像提供, Alexander Kubrakov

画像説明, オデーサ港を出た貨物船

ロシアによる侵攻の影響でウクライナ国内に滞留する大量の穀物の輸出が1日朝、再開された。トルコとウクライナ両国は、ウクライナの穀物を載せた貨物船が、黒海に面する南西部オデーサの港を出たと明らかにした。世界的な食糧危機と価格高騰につながっているウクライナの穀物滞留が、解消されることが期待されている。

ロシアはウクライナ侵攻を開始した2月末から、黒海に面するウクライナの港を封鎖していたが、両国は国連とトルコの仲介を受けて、ウクライナに滞留する数百万トンの穀物輸出再開について、7月22日に合意していた。

貨物船の出向に先立ち、トルコは、シエラレオネ船籍の貨物船が、穀物をレバノンに運ぶと説明。今後数週間の内に、他の貨物船による搬出がさらに続くと述べた。

穀物輸出合意のもとでトルコ・イスタンブールに設置された共同調整センターによると、今回の貨物船の積み荷は約2万6000トンのトウモロコシで、2日は検査のためトルコ領海に到着する。

ウクライナのアレクサンデル・クブラコフ・インフラ相はフェイスブックに、「ウクライナは本日、パートナーたちと共に、世界の飢餓を救うため、また一歩前に進んだ」と書いた。

「港の封鎖が解除されれば、少なくとも10億ドルの外貨収入がウクライナ経済にもたらされ、農業分野が来年に向けて計画を立てることができるようになる」と、クブラコフ氏は付け加えた。

クブラコフ氏によると今後、貨物船16隻がオデーサ州の港から出向するため待機しているという。

交渉成立まで2カ月かかったこの合意は、120日間有効。双方が合意すれば、合意は延長される。

合意の主な内容は、次の通り。

  • 農産物を載せた貨物船が航行中は、ロシア軍は黒海に面したウクライナの港を攻撃しない
  • 機雷が敷設された水域では、ウクライナ艦艇が貨物船の安全航行を誘導する
  • 密輸に対するロシアの懸念に対応するため、トルコは国連の支援を受けて貨物船を検査する
  • 黒海からのロシア産穀物や肥料の輸出も可能にする

しかし、合意成立の翌日にロシア軍がオデーサ港に停泊するウクライナ海軍艦をねらってミサイル攻撃したため、合意の実施はいきなり混乱状態に陥った。