香港の民主活動家3人に実刑判決 無許可集会扇動の罪で

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画像説明, 香港の民主化運動リーダーの周庭氏(左)、林朗彦氏(中央)、黄之鋒氏

香港で2日、民主活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)、周庭(アグネス・チョウ)、林朗彦(アイヴァン・ラム)の3氏に対する量刑言い渡し公判が開かれ、裁判官は3人に実刑判決を言い渡した。3人は昨年6月に香港政府の「逃亡犯条例」改正案に抗議して、警察本部包囲デモを扇動したとして、無許可集会の扇動罪に問われていた。

裁判官は黄氏に禁錮13カ月半、周氏に同10カ月、林氏に同7カ月を言い渡した。

3人は昨年8~9月に逮捕され、起訴後に保釈されたものの、先月23日の公判で有罪となり、収監されていた。黄氏は独房に入れられていた。

AFP通信によると、裁判官は「被告3人は警察本部を包囲するよう抗議者に呼びかけ、警察を損なうスローガンを繰り返した」、「即時収監のみが適切な選択肢だ」と述べたという。

記者団によると、判決の読み上げに周氏は泣き出し、黄氏は廷吏に連行されながら「これからは大変な日々が待っているが、自分たちはがんばる」と叫んだという。

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画像説明, 量刑言い渡しのため法廷に向かう黄氏と林氏

国際人権団体アムネスティー・インターナショナルは判決を批判し、「政府を公然と批判する者に、次はお前かもしれないと警告」したに等しいと述べた。

「この活動家3人は、表現の自由と平和的集会の権利を侵害され、収監された」と、アジア太平洋地域担当のヤミニ・ミシュラ氏は批判し、「有罪判決を直ちに覆し、直ちに3人を無条件で解放しなくてはならない」と述べた。

量刑言い渡しに先立ち、黄氏は勾留中に手紙を書き、「確かに耐えるのは厳しいが、香港活動家の多くが自分と同じように訴訟や収監に直面している中で、皆さんが今後も彼らに決してひとりぼっちではないと伝え、応援し続けて欲しい(中略)おりは魂まで閉じ込めることはできない」と強調していた。

有罪になった3人とも、2014年の大規模民主化デモ「雨傘運動」で頭角を現した。黄氏と林氏は学生リーダーになった当時、まだ10代だった。

黄氏は香港民主化運動の中心的人物の1人として、これまでも短期の服役を繰り返してきた。

中国政府が今年6月末に香港で反政府的な動きを取り締まる「国家安全法」を施行すると、黄氏は周氏と創設した政治団体「香港衆志(デモシスト)」を解散した。林氏はデモシスト主席だった。

周氏は今年8月に国安法違反の疑いで逮捕され、保釈された。今回判決を受けた罪状とは別に、国安法違反の「分離独立を扇動」した罪でも訴追されている。

動画説明, 香港で民主派活動家が恐れる国安法 その意味と影響力

(英語記事 Hong Kong: Joshua Wong and fellow pro-democracy activists jailed)