メルケル独首相の与党、ベルリン市議会選で大敗 移民反対党が躍進

Supporters of the AfD (Alternative for Germany) celebrate at their election party in Berlin Germany, 18 September 2016.

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画像説明, ベルリン市議会の議席獲得を祝うAfD支持者たち(18日)

ドイツの首都ベルリン特別市(州と同格)で18日、市議会選が投開票され、メルケル首相が率いるキリスト教民主同盟(CDU)は得票率17.6%と歴史的な大敗を喫した。約22%を得票した中道左派の社会民主党(SPD)は、CDUとの連立を解消する見通し。

一方で、移民受け入れに反対する新興右派政党「ドイツのための選択肢」(AfD)は得票率14%と躍進し、初めて市議会に議席を獲得した。

CDUは今月初め、メルケル首相の地元の北東部、3位に転落している。

ドイツに移民100万人以上を受け入れるとメルケル首相が表明して以来、CDUの地方選敗退が相次ぐ一方で、AfDは支持を伸ばしている。ドイツ国内の16地方議会のうち、AfDはこれで10議会で議席を得たことになる。

AfDのイェルク・モイテン副党首は、来年秋の連邦議会選に向けて、自分たちは強い立場におり、「来年末までには2ケタの議席を得ていると確信している」と述べた。

バイエル州政府のマルクス・ゼーダー財務相(CDUと統一会派を組むバイエルン・キリスト教社会同盟所属)は、2週間のうちに「2度目の目覚めの合図が鳴った」と指摘した。

ゼーダー氏は独紙ビルトに、「長年の支持者の信任を一気に失って、保守陣営を脅かしている」と延べ、メルケル氏率いる大連立は移民政策で方向転換して有権者の支持を取り戻さなくてはならないと強調した。

人口350万人を抱えるベルリン市議選では、移民対応にまつわる諸問題のほか、お粗末な公共サービスや学校校舎の老朽化、電車の遅延、住宅不足など地域問題が主要争点となっていた。

(英語記事 Berlin state poll: Losses for Merkel's CDU, gains for AfD)