シリア難民、ドイツ極右政治家を人助けと

移民反対デモに参加するNPD

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ドイツの報道によると、中部ヘッセン州で自動車事故を起こした極右政治家が、シリア難民に助けられていたことが明らかになった。

DPA通信によると、極右政党・ドイツ国家民主党(NPD)党員のステファン・ヤグシュ氏が運転中の自動車を木に激突させて負傷したところ、通りがかった2人のシリア難民が応急処置をして助けた。警察が現場に到着したころには、2人はすでに立ち去っていたという。

NPDは移民受け入れに反対し、ドイツ国内で数々の移民反対デモに参加している。

しかしフランクフルター・ルントシャウ紙によると、ヘッセン州のNPD代表は難民2人の行為を「とても善良で人道的」と称えたという。

ヘッセン州の位置
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ドイツの憲法裁判所は現在、NPDを非合法にすべきか審理している。

連邦議会上院が、NPDは人種差別やユダヤ人差別を掲げ、ドイツの民主主義にとって脅威となると訴えを起こした。

2003年にも同様の訴えがあったが、党内に潜入した捜査員たちの証拠を憲法裁判所が採用せず、非合法化は見送られた。

ドイツでは、シリアやイラク、アフガニスタンなどから戦乱と人権侵害を逃れてきた移民の急増に対する不安が強く、NPDはその世論の一部を担っている。

(英語記事 Far-right German politician thanks refugees for rescue)