人気漫画「ハイキュー!!」の「聖地」困惑 著作権侵害の恐れと指摘

有料記事

小幡淳一
[PR]

 人気バレーボール漫画「ハイキュー‼」の舞台とされてきた岩手県軽米町が揺れている。国内外から聖地巡礼でファンが訪れているが、漫画を出版する集英社やアニメの映画を配給する東宝などから「著作権侵害の恐れがある」と指摘されたのだ。地域おこしの起爆剤として活用してきた町は「慎重にならざるを得ない」と頭を抱えている。

 週刊少年ジャンプ(集英社)に2012年から連載されたマンガ「ハイキュー‼」は、男子高校バレーボール部の仲間たちが全国制覇を目指す物語。作者の古舘春一さんは岩手県立軽米高校の卒業生で、漫画に登場する「烏野(からすの)高校」の校舎や体育館、廊下などは母校をイメージしているのではないかと言われている。

 しかし、漫画の舞台は仙台市とされ、登場するキャラクターたちが仙台観光特使に委嘱されるなどしている。軽米町は公式に認められているわけではなく、あくまでファンの間でのみ知られた存在だった。

 だが、今年に入り、新作映画がヒットした影響で、町への注目が高まり、海外からやってくるファンも増えた。

求められた慎重な対応

 そこで、町はかるまい文化交流センターに、オリジナルの等身大のパネルを並べた撮影スポットを開設。独自の法被やチームの応援旗なども用意した。東京や盛岡から高速バスを利用した場合、町内で使える共通商品券がもらえるキャンペーンも宣伝し始めた。

 ところが、最近になって作品…

この記事は有料記事です。残り325文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
小幡淳一
盛岡総局
専門・関心分野
事件、調査報道、スポーツ、料理
  • commentatorHeader
    藤井涼
    (UchuBiz編集長)
    2024年9月11日9時42分 投稿
    【視点】

    難しい問題ですね。聖地巡礼でファンがひっそり現地を訪れるのは自由ですが、それを町が表立ってPRに使うとなると、当然ながら権利者の許諾や、使用料の支払いなどが発生します。また、権利者が聖地として紹介されることをそもそも望んでいなければ、使用料

    …続きを読む