交野市議選で維新以外のポスター塗り潰した画像投稿 維新の大阪市議

島脇健史
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 10日に投開票された大阪府交野市議選で、大阪維新の会大阪市議が、維新の公認候補を緑色の太線で囲み、それ以外は塗り潰したポスター掲示場の画像をX(旧ツイッター)に投稿し、投票を呼びかけていたことがわかった。選挙は定数15に22人が立候補。投稿は投票前日の9日付で、維新からは5人が出て、3人が当選、現職2人が落選した。

 投稿したのは本田リエ・大阪市議(50)。9日に維新公認候補の応援で現地に入っていたという。本田氏は取材に対し「投票に行った人がすぐわかるように、維新の5人のポスターを見やすくしようと思った」と説明した。

 ポスターに落書きをするなどの行為は、公職選挙法の「選挙の自由妨害罪」に抵触する恐れがある。今回は写真の加工で、本田氏は「ポスター自体に何かしたわけではない。他の候補をおとしめる行為はしていない」と語った。

 本田氏は大阪市城東区選出で現在4期目。2020年5月から1年間、議長を務めた。

 画像加工でポスターを塗り潰された交野市議の1人は「(画像は)知っていたが、選挙中は気にする余裕がなかった。ただ『選挙は何でもあり』というのは良くないと思う」と話した。

 市選挙管理委員会事務局の担当者は「公選法違反とは考えにくいが、道義的に望ましくない」と話した。総務省の担当者は「公選法の違反行為は、一般的にポスターを破ったり、損傷させたりすることを指す。個別具体的な事案については、選挙の自由妨害が認められるかなど、実態に即して違反かどうか判断される」としている。

識者「別のやり方あったのでは」

 公選法に詳しい只野雅人・一橋大教授(憲法)の話 有権者に候補者の情報が届かなくなっているわけではなく、直ちに公選法違反というものではないと思う。公選法もこうした状況は想定していないのではないか。ただ、「別のやり方があったのではないか」という違和感はある。なぜこの候補者を支持するのか、支持できないのか、ということを有権者に示すことの方が重要だ。

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この記事を書いた人
島脇健史
神戸総局|選挙・震災担当
専門・関心分野
地方行政・選挙、気象・災害、地域医療