作家の森村誠一さん死去、90歳 「人間の証明」「悪魔の飽食」
ベストセラーとなった「人間の証明」など、社会派ミステリーで知られる作家の森村誠一(もりむら・せいいち)さんが24日、肺炎のため東京都内の病院で死去した。90歳だった。葬儀は家族で営む。
1933年、埼玉県生まれ。青山学院大を卒業後、ホテル勤務を経て作家活動に入った。69年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞。73年に「腐蝕(ふしょく)の構造」で日本推理作家協会賞を受賞した。
76年に刊行した代表作「人間の証明」は、高度成長期に社会が忘れかけていた戦争の真実を突きつけるミステリーだった。77年の角川映画が大ヒットし、770万部を超えるベストセラーに。「青春の証明」「野性の証明」と「証明3部作」の刊行が続いた。「人間の証明」で登場した刑事を主人公とした「棟居(むねすえ)刑事シリーズ」はテレビドラマとしても人気が高く、放送を重ねた。
81年に発表したノンフィク…
- 【視点】
作家・森村誠一氏の代表作「人間の証明」が刊行された1976年。中学1年生だった私は、ハードカバー版の本書を地元の書店で買った。読んだ時の印象を今でも覚えている。西条八十の詩が謎解きの小道具だけにとどまらず、全編を貫くテーマと重なり合うことに
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