世界のノーベル賞受賞者61人「憂慮を共有」 日本学術会議問題巡り
政府が日本学術会議の組織改革の法案を通常国会に提出する方針について、日本のノーベル賞受賞者ら8人が連名で岸田文雄首相に対し「熟慮を求める」と2月に出した声明に対し、世界の自然科学系の61人のノーベル賞受賞者が全面的に支持するとした共同声明を出した。学術会議の総会で17日午後、梶田隆章会長が報告した。
海外のノーベル賞受賞者による共同声明は4月13日付。元米エネルギー省長官のスティーブン・チュー氏(1997年物理学賞)らが名を連ねた。「私たち61人は、8人の日本人科学者が表明した憂慮と希望を共有する。科学は人類の崇高で知的な努力であり、その発展が人類の進歩と幸福の実現に不可欠。日本はアカデミアを通じて人類に貢献する国で、世界に知的存在感を示すだろう」と表明した。
日本のノーベル賞受賞者ら8人は2月19日付で、2020年の菅義偉首相(当時)による会員候補の任命拒否問題をきっかけに、「政府と学術界の信頼関係が大きく損なわれたままになっている」と憂慮。政府による法改正の検討について「学術会議の独立性を毀損(きそん)するおそれがあり、大きな危惧を抱く。単に内閣府と日本学術会議の二者の問題ではなく、学術の独立性といった根源的かつ重要な問題につながる」「政府は性急な法改正を再考し、学術会議との議論の場を重ねることを強く希望する」などと求めていた。
梶田氏は「世界の傑出した多…