安倍政権、番組に言及たびたび 選挙控え編集批判や「公平中立」要請

有料記事放送法めぐる総務省文書問題

中島嘉克 渡辺淳基 編集委員・後藤洋平
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 安倍政権下で問題になった政治的公平性をめぐる放送法の解釈について、首相官邸側と総務省側とのやりとりだとする資料を、立憲民主党の小西洋之参院議員が公表した。当時、政権が番組内容について、言及することが少なからず起きていた。

 2日夕方、国会内で開いた記者会見で小西氏は、約80枚の資料に記録された放送法の解釈をめぐる経緯について、こう指摘した。

 「日本の自由主義と民主主義の根幹である放送法の解釈を少人数の権力者だけでつくってしまう。このようなことが内部文書によって明らかになった」

 文書には2014年から15年にかけ、当時の総務省幹部と首相官邸側などがやりとりしたとされる内容が記されている。礒崎陽輔首相補佐官高市早苗総務相安倍晋三首相らの名前が登場。一つの番組だけでも「政治的公平」を定める放送法に抵触する場合があるという解釈を、国会の場で政府に答弁させるため、首相補佐官が総務省に働きかける様子が時系列で並ぶ。

 それまでは、一つの番組では…

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この記事を書いた人
中島嘉克
仙台総局
専門・関心分野
デジタル、AI
後藤洋平
編集委員|ファッション・メディア・文化担当
専門・関心分野
ファッション、メディア、文化
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    前田直人
    (朝日新聞デジタル事業担当補佐)
    2023年3月3日8時26分 投稿
    【視点】

    政治権力とメディアの間には、常に高い緊張関係があります。特に民主党が力をつけて政権交代をはたした2000年代以降、それが強まったという肌感覚があります。 2000年代は、いわゆる「テレポリティクス」の最盛期でした。NHKだけでなく民放

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  • commentatorHeader
    蔵前勝久
    (朝日新聞政治部次長)
    2023年3月3日8時40分 投稿
    【視点】

    この記事を読んで、かつての取材を思い出しました。まさに14年のことです。安倍氏に近い首相官邸スタッフが「最近、テレビは政権批判をやらなくなっていいが、ラジオがひどいな」とし、具体的な番組名を羅列した上で「自民党もラジオまでは、チェックしきれ

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