第一三共がコロナワクチンの承認申請 追加接種用、「国産」2社目
第一三共は13日、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、国内での追加接種用として製造販売の承認を厚生労働省に申請したと発表した。国内メーカーが開発したコロナワクチンの承認申請は、塩野義製薬に次いで2例目となる。
米ファイザー、モデルナと同じタイプのメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンで、臨床試験(治験)で有効性と安全性を確認し、主要評価項目を達成したという。
治験では、国内で承認済みのmRNAワクチンを2回接種した約5千人を対象に、第一三共製と承認済みワクチンの3回目接種の効果などを比べた。その結果、投与4週間後の比較で、細胞への感染を防ぐ力を示す「中和活性」の上昇倍率が承認済みのワクチン群に劣らない高い値を示した。安全性についても、臨床上の懸念は認められなかったという。
第一三共は今後、オミクロン株にも対応する「2価ワクチン」の治験も進め、23年度中の承認申請をめざすとしている。
新型コロナウイルスの国産ワクチンで実用化されたものはまだない。塩野義が昨年11月、「組み換えたんぱく」という手法のワクチンを承認申請したのが第1号で今回の第一三共が続いた。このほか、「不活化ワクチン」の開発を進める明治ホールディングス傘下のKMバイオロジクスも今年4~6月の承認申請をめざしている。