北海道警が「被疑者ノート」を無理やり没収 不起訴の女性ら提訴

平岡春人
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 北海道警の警察官から弁護士との接見内容を記録した「被疑者ノート」を無理やり一時的に没収されたり、自白を強要されたりしたとして、刑事事件で逮捕されてその後不起訴処分になった女性と担当の河西宏樹弁護士が20日、道を相手取り計160万円の慰謝料を求める訴訟を札幌地裁に起こした。

 訴状などによると、7月上旬、道警留置管理課の警察官が、無理やり女性から被疑者ノートを取り上げて内容を読み、さらにいずれかに持ち去った。約15分後に女性に返したという。

 また、女性が黙秘権に基づき供述を拒んだにもかかわらず、連日長時間の取り調べを受け、「罪を重くしたくないから隠しているのか」などと自白を強いられた、とも主張している。

 提訴後の会見で原告代理人の吉田康紀弁護士は「警察が、黙秘権が容疑者と真実を守るための権利だと思っていないとすら感じる」と批判した。

 道警留置管理課は「訴状が届いていないため、お答えは差し控えさせていただく」との談話を出した。

 札幌弁護士会は8月、被疑者ノートの取り上げについて、「接見交通権」などの侵害だとして道警に申入書を提出していた。

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この記事を書いた人
平岡春人
文化部|映画担当
専門・関心分野
映画、音楽、人権