お墨付きの翼竜化石、スッポンの骨だった きっかけは鍋

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庄司直樹
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 茨城県ひたちなか市で見つかった後、翼竜の骨として長い間扱われてきた化石が、実はスッポンのものだったことがミュージアムパーク茨城県自然博物館(坂東市)などの再調査でわかった。きっかけは学芸員が食べたスッポン鍋だったという。

 この化石は、ひたちなか市の平磯海岸に広がる白亜紀後期(約7200万年前)の地層から2002年に見つかった。当時、発見者から寄贈を受けた同博物館がドイツの研究者にレプリカを送って鑑定を依頼し、「翼竜の肩甲骨」とお墨付きを得た。関東で初めて見つかった翼竜の化石で、その肩甲骨が見つかるのは国内初とされた。地元では「ヒタチナカリュウ」の愛称がつけられ、観光パンフレットで紹介されたり、県外の化石展に出品されたりしてきた。

 ところが17年、博物館の学芸員加藤太一さん(32)が、同じ地層から見つかった爬虫(はちゅう)類の化石について論文を書き上げ、自分へのご褒美として自宅でスッポンをさばいた際、上腕骨の形がヒタチナカリュウの化石に似ているのに気づいた。

 その後、光学メーカーにCTスキャンの機器を借りて解析したところ、翼竜なら空洞になっているはずの骨の内部が、カメ類に特徴的なスポンジ状になっているのが見て取れた。「翼竜のものではないとすぐにわかった」。骨の上部が欠けており、そこから中身の一部が流れ出て、外からは空洞があるように見えていたようだという。

 13年以降、この化石が発見された地層のそばから別のスッポンの甲羅の化石3点が相次いで見つかったことや、カメ類の上腕骨の形との比較もあわせ、加藤さんは20年春、翼竜の骨とされた化石は、白亜紀のスッポンのものだと結論づけた。

実は貴重なスッポンの化石

 上腕骨の化石は、欠けた部分…

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