検察庁法の審議、枝野氏「火事場泥棒のよう」首相は反論
「#検察庁法改正案に抗議します」とツイッター上で投稿が相次いでいる検察庁法改正案が11日の衆院予算委員会で取り上げられた。立憲民主党の枝野幸男代表は「(新型コロナウイルス感染拡大の)どさくさ紛れに火事場泥棒のように決められることではない」と安倍晋三首相を追及。これに対し、首相はこれに反論し、今国会での法案成立をめざす考えを示した。
検察庁法改正案は、国家公務員の定年を65歳に引き上げる国家公務員法改正案などと一本化され、8日に委員会審議に入った。野党は森雅子法相も答弁に立つ形の審議を求めているが、与党側は応じないまま強引に審議を進めており、ツイッター上でも批判の声が上がっている。
枝野氏は予算委で「私たちは国家公務員法の改正には大筋賛成だ」とした上で、政府・与党が国家公務員法改正案と検察庁法改正案を抱き合わせる形で審議を進めていることには「脱法的」と批判。検察庁法の改正案については「違法があれば総理大臣すら逮捕できる検察庁の幹部人事を、内閣が恣意(しい)的にコントロールできるという大問題」と指摘した。「自分の都合のいい法律をつくることを優先し、危機の状況を政治的に悪用しようとしているのではないか」と首相にただした。
これに対し、首相は公務員のマンパワーの活用のために定年引き上げが必要との認識を示した上で、「検察庁法改正の趣旨・目的もこれと同じで、一つの法案として束ねた上で審議することが適切」と反論。地方自治体の対応もあることから「今国会で法案を成立させる必要がある」との認識を示しつつ、「法案審議については国会でお決め頂くこと」などと述べるにとどめた。
首相の答弁を聞くと、枝野氏は呼びかけた。「国民の皆さん。安倍総理は自民党の総裁で、自民党と公明党が火事場泥棒的な審議の強行をしているんだ、ということをぜひ覚えておいてください」