セルフィンプレコ

セルフィンプレコ

学名
Pterygoplichthys gibbiceps (Kner, 1854)
他の販売名
マーブルセルフィンプレコ
大きさ目安
30~40cm
価格目安
1,000円~1,500円(幼魚)
飼育難易度

簡単

入荷時状態悪め

混泳
おおむね協調性あり
繁殖難易度
不明
水温目安
22~29℃(普通の熱帯魚)
適応水質
弱酸性中性弱アルカリ
良好良好良好
群れやすさ
群れない
分布
アマゾン川水系(ブラジル、コロンビアなど)

※上記はGoogleMap上での代表地域を示したものです。厳密な生息範囲ではありませんので、参考情報までに。

目次

主な特徴

一般的な販売サイズのセルフィンプレコ

「セルフィンプレコ」は南アメリカ原産の熱帯魚で、ホビーアクアリウムでは最も優れたコケ取り魚として知られる魚です。

吸盤状の口でガラスや石などに張り付き、表面についたコケをペコペコなめ取り、多くのコケをあっという間に平らげてくれます。

また「セイル」は船・イカダの帆の意味で「フィン」はヒレを表す通り、成長すると帆船のような大きな背びれとなるのも魅力の1つ。安価なコケ取り魚として軽視されがちですが、育て上げられた本種は非常に素晴らしい熱帯魚です。

「ネオンテトラ」と同じく、比較的どのショップでも取り扱われてる定番の熱帯魚でありますが、野生下での最大全長は50cmを超え水槽内でも25cm~40cm程となり成長スピードも早いので、この点には必ず注意して下さい。
(60cm水槽でも25cm程にはなり、水槽内をかなり圧迫します)

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コケ取り性能

茶ゴケ
A
糸状ゴケ,
アオミドロ
A
緑のスポット状コケ
B
黒ひげゴケ,
短い毛布状のコケ
E
藍藻,
シアノバクテリア
E

本種は昔から最高のコケとりとして知られ、2025年今なお最強のコケ取りです。

藻類とは異なる藍藻(シアノバクテリア)と、固く根を張るコケ以外は1~2晩でモリモリ食べてくれます。

お腹が減ると水草を食害する

食べれるコケがなくエサが少ない場合、水草も齧ります

育つとその傾向が強くなり、特に張り付きやすいエキノドルス系(アマゾンソード等)やアヌビアスだと顕著です。細い葉を持つ有茎草は食べられにくいですが、最終的には30cmを超えますので水草水槽には向いていません。

混泳・性格

プレコ以外であれば基本的に温厚であり、ほとんどの魚と混泳可能です。

セルフィンプレコとコリドラスたち
基本的に他魚に興味なし

基本的にガラスや岩などに張り付いて動かず温和な性格であるため、混泳には向いています。

一部の魚種と同プレコ同士とはちょっと相性が悪いので、その点だけ注意すればOKです。

大きくなると一部の魚を舐める

育った個体はディスカスやポリプテルスなど粘液を出すような魚を舐める個体が出てくるため、この点には注意します。

ポリプテルスは舐められようとすると泳いで逃げますが、上にでかい魚(アロワナやダトニオなど)がいればポリプはビビッて動かなくなるため、特に混泳水槽では被害が出やすいです。

他プレコとの混泳は注意

他のプレコと縄張り(位置取り)争いを行いますので、注意が必要です。

体格差が大きいと全く相手にしませんが、近しい体格のプレコは序列が確定するまでは少なくともヒレがボロボロになるまで争います。

ストレスに弱いプレコ※は威圧だけでうつ病にさせて殺すこともありますので、ストレスに弱いプレコとの混泳は避けるべきです。
(※タイガープレコ、ロイヤルプレコ、インペリアルゼブラプレコなど)

エサ

コケの他、熱帯魚用の人工飼料もよく食べます。

エサを食べるセルフィンプレコ

藻類を食べる魚ではありますが雑食傾向が強く、普通の熱帯魚用のエサでもOKです。

エサの匂いがすれば積極的に前に出て食べようとする図太さもありますので、エサに関しては心配しないで良いでしょう。

なお普通の熱帯魚のエサ+藻でも長期飼育は可能なため、別途プレコ用のフードを用意する必要はあまりありません。

飼育ポイント

特にありません。非常に丈夫な熱帯魚です。

非常に丈夫な熱帯魚であるため、熱帯魚を飼育する最低限の環境さえあれば大丈夫です。

ただ入荷状態によっては注意が必要になる場合があります。

輸入直後は要注意な魚

オレンジスポットセルフィンプレコのお腹
少なくともお腹がへこんだものは避けること
(これは別種のオレンジスポットセルフィンプレコ)

ホームセンターや熱帯魚ショップで販売されているものは安定している個体が多いのですが、魚自体は輸入直後にかなり死ぬ魚であります。

基本的には問屋注文する一般的なショップだと安定した個体が入荷しますが、直輸入などを行っているショップ(特に安売り店)では状態が悪い場合があり、そのような場合は注意が必要です。

輸入状態が悪ければ手立てなく死にますので、コンディションによっては購入を避けた方が良いでしょう。

繁殖

愛好家の飼育下繁殖はありません。

東南アジアでは盛んに養殖繁殖が行われていますが、一般家庭の水槽だと困難です。

繁殖が可能になるサイズまで育てると40cmほどとなりますが、縄張り意識の強い本種を複数匹入れれるような巨大水槽が用意できないからです。養殖は基本的に大きな池・タンクを用いられていますので、一般家庭では不可能と考えたほうが良いでしょう。

その他・補足情報

成長速度が異様に早い

最強のコケ取りですが成長が他のプレコより圧倒的に早く、水槽サイズに対する最終サイズ比率も大きいことはネックです。

60cm水槽でも1年ほどあれば15~20cmほどには成長でき、水槽の主役がセルフィンプレコになりやすいので注意して下さい。

さて知らずに購入してしまって迷惑がられる魚の1つではありますが、実は中~大型魚愛好家には需要がある魚。15~20cm以上のセルフィンはショップで取り扱いなく、大型魚水槽のコケ取りに重宝されるからです。

なので最大サイズを知らず購入してしまって困った場合は懇意にしているショップに相談してみたり、ジモティーなどの譲渡サイトで引き取り手を探してみると良いかもしれません。

所感:スター熱帯魚の1つ

背びれを広げたセルフィンプレコ

コケを食べるプレコというのはプレコ全体の一部分であるものの、セルフィンプレコ(それとヒポプレコ)が非常に多くコケ取り魚として流通したことにより、「プレコ=コケ取り」のイメージを良くも悪くも定着させてしまった存在です。

プレコ全てがコケ取りではなく、むしろコケをよく食べるのはプレコ全体の一部のみなのでそう認識している場合は認識の是正を行うべきでしょう。

さてセルフィンプレコは昔「プレコ」というキーワードを広く浸透させた魚ですが、驚くことに今なおどのショップ・ホームセンターで売られています。つまりネオンテトラと並んでホビーアクアリウムの歴史に欠かせないスター熱帯魚だということです。

定番すぎてアクア初心者を脱した中級者からは見向きもされませんが、魚の魅力は相当高い

中級者を超えてマニアになるとネオンテトラと同じくセルフィンプレコに戻って来たりするので、中々侮れないのがセルフィンプレコです。

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