バーンスタインの自作自演集。ドイツ・グラモフォンに収録した新録 Bernstein Conducts Bernstein もあるのでスーパー廉価盤扱いだが、内容は充実している。どちらを選ぶかはリスナーの好み如何といえよう。
今回、交響曲作曲家としてのバーンスタインという視点で耳を傾けた。コープランドが後世を託したといわれるだけの実力を感じさせる力作で、メロディの親しみやすさが現代音楽の晦渋さを緩和している。ラフマニノフの自作自演コンサートをライヴで聴いて感動したといわれるバーンスタインが、そうした体験を自身生かしているといえるかも知れない。リズムの切れ味はストラヴィンスキーに通じる部分もある。マーラーやショスタコーヴィッチで秀でた演奏を残したバーンスタインだが、この2人の影響も垣間見えるような独特の量感もある。詳細は各曲ごとに記したのでご参考まで。
<CD1>
・『ウェスト・サイド・ストーリー』よりシンフォニック・ダンス(録音:1961年3月)
・『キャンディード』序曲(録音:1960年9月)
・映画「波止場」から交響組曲(録音:1960年5月)
・バレエ音楽『ファンシー・フリー』(録音:1963年6月)
・プレリュード、フーガとリフ(録音:1963年5月):ベニー・グッドマン(クラリネット)、コロンビア・ジャズ・コンボ
→ Symphonic Dances From West Side Story / Candide Ov
<CD2>
・バレエ音楽『ディバック』全曲(録音:1974年6月7日)
デイヴィッド・ジョンソン(バリトン)、ジョン・オステンドルフ(バス)ニューヨーク・シティ・バレエ管弦楽団
・セレナード(プラトンの「饗宴」による)(録音:1965年7月22日、マンハッタン・センター):ジノ・フランチェスカッティ(ヴァイオリン)
<CD3>
・交響曲第1番『エレミア』(録音:1961年5月20日、マンハッタン・センター):ジェニー・トゥーレル(メゾ・ソプラノ)
→ Symphony 1
・『オン・ザ・タウン』より3つのダンスエピソード(録音:1963年6月18日)
・交響曲第2番『不安の時代』(1965年改訂版)(録音:1965年7月、マンハッタン・センター):フィリップ・アントルモン(ピアノ)
→ Symphony 2
<CD4>
・交響曲第3番『カディッシュ』(録音:1964年4月):フェリシア・モンテアレグレ(語り)、ジェニー・トゥーレル(メゾ・ソプラノ)
→ Symphony 3
・チチェスター詩篇(録音:1965年7月):ジョン・ボガート(カウンターテノール)
カメラーラ・シンガーズ
・『I Hate Music』(録音:1960年11月、ニューヨーク)
・『La Bonne Cuisine』(録音:1960年11月、ニューヨーク)
ジェニー・トゥーレル(メゾ・ソプラノ)、レナード・バーンスタイン(ピアノ)
<CD5>
・歌劇『タヒチ島の騒動』(録音:1973年8月):アントニア・バトラー(ソプラノ)
ナンシー・ウィリアムズ(メゾ・ソプラノ)、マイケル・クラーク(テノール)、マーク・ブラウン(バリトン)、コロンビア・ウィンド・アンサンブル
・バレエ音楽『ファクシミリ』(録音:1963年8月)
<CD6, CD7>
・ミサ曲(録音:1971年):アラン・タイタス(バリトン)、ノーマン・スクリブナー合唱団、バークシャー少年合唱団・管弦楽団