記憶の切繪図: 七十五年の回想 | 志村五郎 |本 | 通販

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本の長さ

254ページ
言語

日本語
出版社

筑摩書房
発売日

2008/6/1
ISBN-10

448086069X
ISBN-13

978-4480860699
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登録情報

出版社 ‏ : ‎ 筑摩書房 (2008/6/1)
発売日 ‏ : ‎ 2008/6/1
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 254ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 448086069X
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4480860699

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野良ネコモーちゃん
大変な思いをしているすべての人に読んで欲しい（場所を選んで）
2024年8月16日に日本でレビュー済み
全編流れるような筆致で、著者の経験がユーモアと批判精神を基調に描かれています。他のレビューアーの方も「十九」について触れられていますが、この文章を思い出すたびに涙腺が緩んでしまいます。題材は、谷山・志村予想として知られる、若き日の共同研究者で友人の谷山氏のことを、彼の自死から30年近くたって不意に思い出し「かわいそうでしかたなくなって」涙が流れ、それを見た婦人も泣き、それが英文で彼との思い出を書くきっかけとなったという話です。私の下手な文章では、これ以上のことは書けません。

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1人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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レポート
マル
面白かった
2019年5月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一体どんな方か興味をもって読みましたが
厳しすぎる時代を生き抜いた捉えどころがない天才肌の偉人という印象を受けました。
彼らからはとくに学ぶものはないという「彼ら」のことがフィールズ賞受賞者だったり、
ジーゲル教授が参りましたといわんばかりにわざとらしい丁寧な手紙をよこしたくだりなど凄すぎるなというエピソードがある反面、プリンストンの廊下を歩いている時に志村教授とも分かってないプリンストン新入生にサラッと教えてやったりと、単純にかっこいいです。

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8人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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レポート
toshi
十九　なぜあの文章を書いたかの章に心を打たれる。
2021年12月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
十九八九年のロンドン数学会の会報で作者は親交があり、亡くなった谷山豊について「谷山豊と彼の時代、非常に個人的な回想」を発表する。

その後、十九八九年の十二月の晩の食事中に、谷山の話をしていて、突然涙が出てきておさえられず頬に
流れる。奥さんも心配した後、ふたり向かい合い黙って泣き続ける。

なぜ、泣いたか。谷山がかわいそうでたまらなかったから、そして「かわいそう」と言うほかのよい表現がなかった。

この章は印象が強く何回も読み直しています。

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3人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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レポート
蜀山人
少し鼻につきます
2008年12月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
志村五郎といえば、間違いなく第１級の数学者である。彼の回想録であるから、面白くない筈もない。しかし、ほとんどどのPageにも、自分はほかの学者とは違うのだという自信過剰ともいえる文言が散りばめられているので、いささか閉口する。こういうものをもう少し抑制をきかせていてくれればと思うのは、私だけであろうか？

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23人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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レポート
島津利一　
谷山ゆたかさんのことに関して　涙を誘う。。。。
2017年2月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
　ベイユに対して、引くこともなく接した志村さんの生き様が描かれています。ベイユからの手紙も掲載されていて、凄く嬉しく散歩する様子が語られています。大阪大に行って、給料も上がらず困ったのでベイユに就職先を相談したとか、文句を言ってベイユを黙らせたとか、すごい話がある。後年志村さんはベイユの晩年を紹介し、娘さんからクレームをつけられることもあったと思う。私にすれば歴史的な偉大な数学者や教えて頂いた多くの先生方が登場し、その人となりが鋭い切り口で説明されている、淒一冊である。当時の数学者の生き様が、そのままストレートに語られている。こういう人間臭くストレートに語られている本は二度と登場しないであろうと思わざるを得ない。ただし、ある程度数学や数学史・数学者について読んだ後に、この本を読むことをお勧めします。
　前半部分は志村さんの家系・少年時代・時代描写が書かれている、ここから志村さんのきりっとした性格の形成ががうかがい知ることができる。後半部からは数学について書かれていて、とても面白いし、鮮明に文章が迫ってくる。
　私にとって圧巻だったのは、P201　からの3ページにわたる十九章である。
　「フェルマーの大定理はワイルスにより証明されたが、日本ではその時の解決に一部が使われた、志村・谷山予想が有名になった。特に谷山さんは若くしてお亡くなりになり、婚約者も「一生涯を約束したから、私も逝く」といって亡くなる。そんな背景もあって凄く日本人の心をとらえた。当時、私は身近な人が書いた谷山像はないものかと探して、志村さんが書かれた　1989年ロンドンマスに投稿された　　論文に行きついた。コピーを手に入れ紹介の資料を作った。表紙は明治初期からの世界の数学者をその誕生日順に並べたものにした。志村・谷山の名前は勿論、高木貞治　彌永昌吉　ベイユ　グロタンディーク　は太く大文字にして作った。
　その資料を色んな所に配った、高校の数学の先生の集会にも持って行って配った。しかし、それがなんであるか理解してもらえなかった苦い思い出がある。」
　この十九章ではその論文（1989年にロンドン・マスに投稿された）を書くきっかけになった動機が語られている。あの論文に載っていなかった裏話である。志村さんは夫人とともに食事をしていて、谷山の話になり、彼を思い出して涙ぐむ、その傍で同じように夫人も涙ぐんでいた。「谷山がかわいそうでならなかった」。そして10日であの第1稿を書き上げる。。。。。私も涙が浮かんできた。
若い頃、三井孝美先生に佐藤幹夫氏　や　志村五郎氏のことを伺ったことがありました。
懐かしいですね。。もっといろいろ聞いておけばよかったと後悔しています。
サージラングが志村・谷山予想のことを色々言及して、Wｅilにも行動したことは有名ですが、そろそろ明治以降の「日本数学者歴伝」なんて題の本が出て欲しいですね。彌永先生がお書きになれば一番よかったのかもしれないけど。
確か、京都賞受賞の時でした。彌永先生は、weil　・佐武ご夫妻と東京銀座のホテルで会食し、別れぎわに、年老いたweilが、「次はあの世でネ」といったと、帰宅途中の地下鉄でしみじみ思い出す。。。
歴史を感じさせる一瞬でした。
最近、ＡＢＣ予想が解決されそうだと。。グロタンディーク予想も解決され新しい数論幾何の世界が広がっているのを感じます。。。。

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11人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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zigeunerweisen
圧巻
2011年4月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
　世界的数学者として令名の高い志村五郎氏の自叙伝とでもいうべき著作である。志村先生は、SpringerからThe Map of My Lifeを出版されているようである。したがって、日本語の「切繪図」は英語で“Map”と表現されていることになる。もっとも、志村先生は、一方が他方の翻訳ということではなく、独立した本として併読を勧められている。高名な数学者の自叙伝ないしは自叙伝らしき著作としては、小平邦彦先生や広中平祐先生の著作がある。この両先生の著作は功成り名遂げた大学者が若き学生を相手に語りかけるという穏やかな内容のものであるが、本書には著者のより強い思いが感じられる。例えば、日本初の国際的数学者として神格化されている感のある高木貞治氏について、「小人」であったと切り捨てている。世間的には、志村先生の盟友と考えられている谷山豊氏をはじめ、日本の代表的数学者についても手厳しい論評が加えている。日本の数学界のハイエラキーの中で育ち、大学で職を得た数学者には到底書けないであろう。ヒルベルトに対しても手厳しい。「彼は幾何学については趣味も悪く、程度も低く、人の目をつまらない方向に向けさせるという意味で反動的であった」(p.113)と言い切っている。
　「自信過剰」とコメントするレビュアーもいらっしゃるが、志村先生ほどの実績があればご自身の歩んだ道と仕事に対してこれだけの確信と自負を表明されるのは当然である。
　数学者に対する寸評以外にもいろいろと示唆されることが多い。たとえば、「日本人は模倣は得意だが、独創性に乏しい」という、紋切り型の批評に対する反論である。詳しくは、本書を参照願いたいが、志村先生は「（欧米人には）、日本人のまねをして、あたかも自分たちの独創のように上手に宣伝するものもいる」（p.243)と指摘されている。また、古来「最近の若い者は・・・」という嘆きが常套句化しているが、より有害なのは「若者の活躍を嫉妬する老人たちである」と述べておられる。
　これは、志村先生が若き日の体験から導かれた教訓であり、自戒の言葉なのであろう。
　いずれにしても、本書ほどのインパクトを秘めた著作にめぐり合うのは久々であった。
　

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46人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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EtaleCohomology
歴史的に面白い随筆
2011年9月11日に日本でレビュー済み
著者は一般人には知られていないが、超一流の数学者です。
だからその人の自伝的回想は、数学愛好家にとって
とっても興味深いものがあります。ああ、あのヒトのことを
批判しているな　と名前が入ってなくてもすぐに分かります。
スキャンダラスとも言えるような毒舌です。
すごいインテリです。幼児的なところも見えます。
言いたい放題です。

しかし一般人には何にも役に立たない本です。

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18人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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Caipiralão
大数学者はどう考えていたか。
2023年1月16日に日本でレビュー済み
数学(特に数論か？)に熱がこもっている人間は歴史的な数論者のことをヒーローのように見ることがあるのではないだろうか？

フェルマ、オイラー、ガウス、リーマン、ハーディ、etc.

残念なことに彼らがどう、何を考えていきていたかを知る術はない。彼らの論文を読んでかすかな息遣いを感ずることしかできない。

ハーディはかの有名な『弁明』を残しておりますが、これは実に良いことだ。

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圧巻

歴史的に面白い随筆

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