Amazon.co.jp: 女の子たち風船爆弾をつくる (文春e-book) eBook : 小林エリカ: Kindleストア

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内訳

少女たちの知られざる戦争体験

日露戦争３０周年に日本が沸いた春、その女の子たちは小学校に上がった。
できたばかりの東京宝塚劇場の、華やかな少女歌劇団の公演に、彼女たちは夢中になった。
彼女たちはウールのフリル付きの大きすぎるワンピースを着る、市電の走る大通りをスキップでわたる、家族でクリスマスのお祝いをする。
しかし、少しずつでも確実に聞こえ始めたのは戦争の足音。
冬のある日、軍服に軍刀と銃を持った兵隊が学校にやってきて、反乱軍が街を占拠したことを告げる。
やがて、戦争が始まり、彼女たちの生活は少しずつ変わっていく。
来るはずのオリンピックは来ず、憧れていた制服は国民服に取ってかわられ、夏休みには勤労奉仕をすることになった。
それでも毎年、春は来て、彼女たちはひとつ大人になる。
ある時、彼女たちは東京宝塚劇場に集められる。
いや、ここはもはや劇場ではない、中外火工品株式会社日比谷第一工場だ。
彼女たちは今日からここで風船爆弾を作るのだ……。

膨大な記録や取材から掬い上げた無数の「彼女たちの声」を、ポエティックな長篇に織り上げた意欲作。

本の長さ

373ページ
言語

日本語
出版社

文藝春秋
発売日

2024/5/15
ファイルサイズ

2465 KB
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出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2024/5/15)
発売日 ‏ : ‎ 2024/5/15
言語 ‏ : ‎ 日本語
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本の長さ ‏ : ‎ 373ページ

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小林エリカ

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小林エリカ　

作家・マンガ家

著書は小説「トリニティ、トリニティ、トリニティ」（集英社）、「マダム・キュリーと朝食を」(第27回三島由紀夫賞候補、第151回芥川龍之介賞候補)（集英社）、”放射能”の科学史を巡るコミック「光の子ども1,2,3」（リトルモア）、短編小説「彼女は鏡の中を覗きこむ」（集英社）、アンネ・フランクと実父の日記をモチーフにした「親愛なるキティーたちへ」（リトルモア）、作品集に「忘れられないの」（青土社）など。他には訳書「アンネのこと、すべて」アンネ・フランク・ハウス編、日本語訳監修石岡史子（ポプラ社）。

主な展覧会は個展に「最後の挨拶 His Last Bow」（2019年、Yamamoto Keiko Rochaix、ロンドン）、「野鳥の森 1F」（2019年、Yutaka Kikutake Gallery、東京）、「トリニティ」（2017年、軽井沢ニューアートミュージアム、長野）、グループ展に「話しているのは誰？　現代美術に潜む文学」(2019年、国立新美術館、東京）、「更級日記考―女性たちの、想像の部屋」（2019年、市原湖畔美術館、千葉）、「六本木クロッシング2016: 僕の身体、あなたの声」（2016年、森美術館、東京）、「ここに棲む ― 地域社会へのまなざし」（2015年、アーツ前橋）、The Futureとの「Your Dear Kitty, the book of Memories」（2015年、Lloyd Hotel and JCC、アムステルダム）、「The Radiants」（2015年、Bortolami Gallery、ニューヨーク）、など。

http://erikakobayashi.com

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Amazon Customer

女性視点で展開する叙事詩

2024年8月15日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

悲しみと怒りの底流から立ち上がる水がほとばしり、

そこから立ち上がる叙事詩、

戦争前後の時期を女性視点で描く、

展開する絵巻に、

終尾まで巻物を一気にひもとく。

役に立った

前田浩

とても良い品物をありがとうございました。

2024年8月4日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

とても良い品物をありがとうございました。

役に立った

kouhei55

戦争をするのに大人も子供も男も女も関係なく巻き込まれて誰もが加害者になりそして被害者になる

2024年7月7日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

宝塚劇場が風船爆弾の製作所として使われていた事は知っていたけれどやはり当事者の方達の語りかけはとても臨場感があります。私の地元の女学校でも風船爆弾の製造をしたと言う話が伝わっていますが、和紙にこんにゃく糊をつけて貼り合わせる作業だったと言われています。こんな田舎の女子生徒達までも動員していた事も忘れてはならない事だと思っています。

3人のお客様がこれが役に立ったと考えています

役に立った

パンダ

内容も掘り下げも薄い

2024年10月20日に日本でレビュー済み

「戦争は女の顔をしていない」インスパイアかと思うけどかなり微妙だった。
試し読みできるのでぜひ事前に読まれることをおすすめする。その数ページで「うわー改行だらけ。ガラケー小説世代かな？」って感じだとしたらその通りなので買わない方がいいです。
後半に調子が上がることはありません。
戦争ルポ風ラノベって感じでした。反戦スタンスなので新聞などが好意的な書評を書いてくれて一定数は売れるでしょうね。うまくすれば夏休みの読書感想文の指定図書にもなれそうです（5年生くらいから読めそうな文体です）

ちなみに同種のスカスカ系戦争ラノベとしては「妻と飛んだ特攻兵」もすごいです。いかにも事実であるかのようなタイトルや映画展開までしてますが生存してる親戚に会いに行って「〜みたいな人柄だったって聞いてますけど」程度の証言しか得られず大半はWikipedia的な歴史関係の整理とそこからの筆者の憶測で終わるという。
戦争を知る世代がいなくなって死人に口なし的に小説の種にする作家が増えそうですね。

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雪丸風人

非常時の青春を知る

2024年6月20日に日本でレビュー済み

名門女学校に通った少女たちの視点で、
戦争体験を含む長い歩みを綴った大作。

時代に翻弄された宝塚歌劇を描く部分に
特に惹かれましたね。

子供達を取り巻く苦しい時代の
暮らしぶりなども興味深かった！

多視点並列で描かれる独特の文体には
慣れるのに時間がかかったものの
女の子たちの生き様が直に伝わったと
感じる瞬間もありました。

圧倒的な熱量で取材されたことが
ページから十分に伝わってきましたよ。

（対象年齢は13歳半以上なか？）

3人のお客様がこれが役に立ったと考えています

役に立った

ソラリス

いつの時代も犠牲になるのは

2024年7月10日に日本でレビュー済み

膨大な資料を元に編まれた繊細な物語。風船爆弾と、着々と開発が進んでいたアメリカの原爆との対比の凄さにも言葉を失う。

少女達が風船爆弾づくりに駆り出されたのは「手先の柔らかい若い女学生が和紙の貼り合わせに適している」という理由だったらしい。戦争という大人の醜いエゴに、胸糞が悪くなる。特攻隊、慰安婦、戦災孤児。いつだって、犠牲になるのは純粋な子ども達、若者達なのだ。

そして大人は責任をとらない。風向きが変わったとたんに態度を豹変させ、保身に走り、反省をしない。

本書を読み改めて思う。若い人には選挙に行ってほしい。大人達の耳障りのよい言葉を鵜呑みにせず、欺瞞を暴く感性を培ってほしいと。

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