2008年の「Where Were U in 92?」でオールドスクールなダブ・レイヴミュージックを披露したZomby。
ダブステップの総本山たるHyperdubから、最近ダブ方面の強化を始めたインディーの超巨大レーベル4ADに移籍しての新作。
ジャングルを中心に組み立てられていた1stに対して、このアルバムのビートは非常に内向的で、陽気なドラムはほとんどない。
しかし、Zombyの最大の特徴と言える、初期のProdigyを思わせるような90年代風のサンプリングやシンセは健在。
加えて今作では、チップチューンを導入したり、不自然に高音域の音量をへらしたり音質を悪くしたりと、その「なんとなく懐かしい音」にさらに磨きがかかった。
まるでターンテーブルで即興ミックスしているかのような、(良い意味で)粗雑なボイスサンプルが光る2曲目「Natalias Song」からは、まるでオールドスクールヒップホップのような懐かしさを感じるし、
銃撃音が印象的な1曲目「Witch Hunt」からは、M.I.Aの「Kala」のようなアンダーグラウンドなレイヴ感も味わえる。
ジャングルを期待していたので最初は少しがっかりしたけど、中毒性はこちらの方が高いかもしれません。