湿り気のある風がざわりと身を吹き抜ける海辺。次第に言葉少なになってゆく。ナイーヴなLaura嬢のスキャットと奥ゆかしいギターのつぶやく「Amazonas」「Pocas Esperanzas」、波がこころもとを浚う「Maritima」「Mujer Latina」、エレピとフルートが寄り添う「Guayabas」、雑事を忘却させる完璧なメロウネス。デビュー時からヴィニシウスに見初められていた彼の抜き出た才能は、えもいわれぬほど優美な一つの頂点を迎える。