盗作疑惑のアデルさん楽曲、世界的に使用差し止め ブラジル判事
このニュースをシェア
【12月17日 AFP】英国のポップシンガーでスーパースターのアデルさんの楽曲「Million Years Ago」について、ブラジルの作曲家が盗作されたと訴えを起こしているとして、ブラジルの判事が、ストリーミングサービスによる配信を含め、全世界での使用を一時的に差し止めるよう命じた。
AFPが16日に確認したところ、リオデジャネイロの第6商業裁判所のビクトル・トーレス判事は今月13日、同楽曲使用を一時的に差し止めるとともに、アデルさんの音楽会社、ソニー・ミュージックエンタテインメントとユニバーサル・ミュージックのブラジルの子会社に対し、同楽曲について「いかなる形式・手段であれ、フィジカル・デジタル・ストリーミング・共有プラットフォームを問わず、『Million Years Ago』の使用・再生・編集・配布・商業化を即刻かつ世界的に停止する」よう命じた。
「不遵守行為」に対しては、それぞれの行為につき8000ドル(約120万円)の罰金を科すとしている。
訴えを起こしているのは、ブラジル人作曲家、トニーニョ・ジェライス氏。2015年にリリースされたアデルさんの同楽曲は、自身が作曲し、ブラジルの有名歌手、マルチーニョ・ダ・ビラさんの1995年のヒットアルバムに収録されたサンバ調の楽曲「Mulheres(女性たちの意味)」の盗作であり、著作権侵害だと主張。16万ドル(約2500万円)の精神的損害賠償、さらにアデルさんの楽曲の作曲者クレジットに自身の名前を入れるよう求めている。
担当弁護士は、「ブラジル音楽にとって画期的な裁定だ。ブラジル音楽は、たびたび模倣され、そうした楽曲が世界中でヒットしてきた」とAFPに話した。
両音楽会社には控訴することが認められている。
アデルさんのこの楽曲については2015年にも、トルコの音楽ファンたちから、メロディーがクルド人シンガー、アフメト・カヤ氏の1985年の「Acılara Tutunmak」に似ており、盗作だと指摘する声が相次いだ。(c)AFP