【12月17日 AFP】ドイツ連邦議会(下院)は16日、オラフ・ショルツ首相が要請した信任投票を行い、反対多数で否決した。これを受けショルツ氏は、フランクワルター・シュタインマイヤー大統領に議会の解散を提案した。この結果、連邦議会選挙が来年2月23日に前倒し実施される見通しとなった。

ショルツ氏の率いる中道左派・社会民主党(SPD)と緑の党、中道リベラル・自由民主党(FDP)の3党で2021年に発足した連立政権は、今年11月にFDPが離脱し、崩壊した。

世論調査では、SPDは、フリードリヒ・メルツ氏率いる保守派・キリスト教民主同盟(CDU)に大きく後れを取っている。

戦後のドイツ政治は長年、保守会派キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)とSPDという二大勢力が支配する形で安定し、小政党のFDPがしばしばキャスチングボートを握っていた。1980年代に緑の党が登場したが、最近は極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の台頭によって政治状況は一段と分裂している。

AfDはアンゲラ・メルケル前首相の寛容な移民政策に反対して支持を広げ、過去10年の間に、ユーロ懐疑派の小政党から主要な政治勢力に成長。現在の支持率は約18%となっている。

他の政党はAfDとの「非協力」を明言しているが、一部は反移民を掲げるAfDの主張を採用。例えば、シリアのアサド政権崩壊後、CDUの一部議員は即座に、ドイツにいる約100万人のシリア難民を帰国させるべきだと声を上げた。(c)AFP