シリア反政府勢力、首都近郊で拷問遺体40体発見
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【12月10日 AFP】シリアの反政府勢力の戦闘員が9日、首都ダマスカス近郊のハラスタ病院の遺体安置所で、拷問された痕跡が認められる約40人の遺体を発見したとAFPに明らかにした。遺体には番号や名前が書かれ、袋に詰め込まれていたとしている。
南部から来たという戦闘員は電話取材に応じ、「恐ろしい光景だった。40人くらいの遺体が積み上げられ、残虐な拷問の痕が見られた」と話した。
この戦闘員が病院で自身が撮影したとする画像や動画数十点をAFPが確認したところ、眼球をえぐられたり、歯を抜かれたりした遺体が映っていた。血が飛び散り、打撲のあざと思われる痕も認められた。
着衣のままの遺体や裸の遺体もあり、白いポリ袋に入れられるか、白い布で包まれ、血が染み出ているものもあった。最近殺害されたように見える遺体もあった。
遺体には布や粘着テープが巻かれ、数字や、一部には名前がなぐり書きされていた。
この戦闘員は、病院職員から、遺体が遺棄されている場所についての情報を得たとしている。
「サイドナヤ刑務所被拘束者・行方不明者協会)」の共同創設者ディアブ・セリヤ氏はAFPに対し、遺体は同刑務所の被拘束者のものである可能性が高いと指摘。
「ハラスタ病院は、被拘束者の遺体を収集するハブとして機能していた」と述べた。
英国に拠点を置くNGO「シリア人権監視団」によると、バッシャール・アサド政権下では6万人以上が拘束中に拷問または劣悪な環境が原因で死亡した。
内戦勃発(ぼっぱつ)以降、アサド政権は人権侵害や拷問、レイプ、裁判なしの処刑を行ってきたとされる。
AFPの取材に応じた戦闘員は、「アサドが戦争犯罪者として責任を追及されるのをわれわれは望んでいる」と語った。(c)AFP