【12月6日 AFP】英国家統計局（ONS）は5日、イングランドとウェールズで2023年の新生児の名前で、最も人気のあった男児名は「ムハンマド（Muhammad）」で、初めて1位を獲得したと発表した。

ムハンマドは2016年からトップ10入りし、前年は「ノア（Noah）」に次ぐ2位につけていた。

ONSによると、イングランドとウェールズでは昨年、男児4661人がムハンマドと名付けられた。この数字には微妙にスペルが違う「モハメド（Mohamed）」などの派生形は含まれていない。

女児名で最も人気だったのは、「オリビア（Olivia）」、2位は「アメリア（Amelia）」、3位は「アイラ（Isla）」でいずれも前年と同順位だった。

ONSは過去に、イングランドとウェールズでムハンマド系の名前がなぜこれほど人気になったのかについて、「明確な答えはない」と述べていた。

だが、考えられる理由として、イスラム教徒コミュニティーの規模が拡大する一方で、同コミュニティー以外では名前の多様性が増していることを挙げた。イスラム教徒コミュニティーでは、同教の預言者ムハンマドにあやかって男児にムハンマド系の名前を付けるのが伝統になっている。

サッカーのモハメド・サラー選手やボクシングのレジェンド、モハメド・アリ選手、陸上のモハメド・ファラー選手ら人気スポーツ選手の存在も一因となっている可能性もある。

イングランドとウェールズで2021年に実施された最新の国勢調査では、イスラム教徒は、人口5960万人の約6.5％に当たる390万人を占めている。2011年は4.9％に当たる270万人だった。(c)AFP