【9月11日 AFP】国連(UN)は10日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)でポリオワクチンの接種のための要員を乗せた車列が9日にイスラエル軍の検問所で銃口を向けられて足止めされたと明らかにした。同軍は発砲し、ブルドーザーで車列に突進したという。

 国連のステファン・ドゥジャリク(Stephane Dujarric)事務総長報道官は、「ガザで人道支援要員が(イスラエル軍に)受けた危険・妨害行為の最新事例」だと指摘。

 12人の職員を乗せた国連の車列は、ガザ北部でポリオワクチンの接種を行うために移動中で、「この件はイスラエル軍と調整済みで、詳細はすべて事前に伝えていた」という。

 しかし、車列が検問所に到着すると、イスラエル軍から国連職員2人を拘束して尋問すると言われて「事態は急迫」。「車に乗っていた職員らが兵士に直接銃口を向けられ、国連の車列も包囲されて発砲された」という。

 さらに車列はイスラエル軍のブルドーザーと戦車に前後から挟まれ圧迫された。ブルドーザーが車列に突進し、1台目の上にがれきを落とす一方で、兵士は国連職員を脅迫。職員は車両から安全に降りることができなくなったという。

 国連高官がイスラエル当局と事態の打開を図る間、車列は兵士に銃口を向けられたままだったという。

 ドゥジャリク氏によると、職員2人がイスラエル軍に尋問を受けたが、検問所で7時間半足止めされた後、全員が解放された。(c)AFP