【7月3日 AFP】アフリカ西部シエラレオネのジュリウス・マーダ・ビオ(Julius Maada Bio)大統領は2日、児童婚を禁止する法律を公布した。国連児童基金(UNICEF、ユニセフ)によれば、同国では18歳未満で結婚させられた少女は80万人に上り、うち40万人は15歳未満で結婚させられている。

 同法により、18歳未満の少女との結婚は犯罪化され、違反者には15年以下の禁錮または2000ドル(約32万円)以上の罰金が科される。

 同法はさらに、男性が未成年の少女と同居するのを禁じ、18歳未満で結婚または妊娠させられた少女への補償制度を設けている。

 首都フリータウンではフェミニスト団体と、同国を含む西アフリカ諸国のファーストレディーらによる式典が開かれた。

 ビオ氏は「わが国の女性に自由が訪れた」「わが政権の立場を明確にする成果」だと述べた。同法は「アフリカにおける希望の光」だとし、「アフリカの女性たちには自分の未来を決定し、世界を触発する無限の機会がある」と訴えた。

 さらに国民に対し、「わが国の女性へのあらゆる暴力や悪行を根絶する」ことで平等を「育む」よう求めた。

 子どもの権利保護を訴える国際非政府組織(NGO)「セーブ・ザ・チルドレン(Save The Children)」は、「歴史的」な法律だと称賛。

 同組織のシエラレオネ支部長、パトリック・アナロ(Patrick Analo)氏は、幼くして結婚させられる少女たちは、教育や経済的機会を奪われるなど、生涯にわたって不利益を被ると指摘している。

 しかし、同国での児童婚は、この数十年で徐々にだが減少している。ユニセフによると、18歳未満で結婚させられた少女の割合は、25年前は37%だったのに対し、2017年は30%だった。(c)AFP