フィンランド図書館に84年遅れで本返却 コナン・ドイルの小説
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【5月30日 AFP】フィンランドの首都ヘルシンキの図書館で、約84年前に貸し出されていた本が返却される出来事があった。
中央図書館(通称オーディ、Oodi)の司書ヘイニ・ストランドさんが29日にAFPに語ったところによると、27日、フィンランド語に翻訳された英作家アーサー・コナン・ドイル(Arthur Conan Doyle)の小説「Refugees(邦題〈亡命者 二大陸の物語〉)」を受け取った。
貸出期限は「1939年12月26日」となっていた。ストランドさんがこれほど延滞して返却された本を受け取ったのは初めてだという。
借りた人と返却した人の関係は分かっていない。「蔵書が期限を何十年も過ぎて返却される場合、故人の持ち物の中から見つけた遺族が持ち込んだものであることが多い」と、ストランドさんは語った。
1939年11月にはソ連がフィンランドに侵攻を開始。「冬戦争(Winter War)」が1940年3月まで続いた。
ストランドさんは、「借り主にとって、返却することは最優先事項ではなかったのかもしれない」と話す。「戦争を生き延びたとしても他に優先すべきことがあったのだろう」
本は1925年刊だが状態は良好なため、図書館は再び貸し出すことを考えているという。(c)AFP