フィンランド湾の海底ガスパイプライン損傷 破壊工作か
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【10月11日 AFP】フィンランドとエストニアをつなぐ天然ガスの海底パイプラインが8日、圧力の低下が確認されたため運転が停止された。フィンランドのサウリ・ニーニスト(Sauli Niinisto)大統領は10日、原因について、外的活動の可能性があるとの認識を示した。
パイプラインは「バルチックコネクター(Balticconnector)」と呼ばれ、フィンランド湾の海底に敷設。ロシアによるウクライナ侵攻を受けて昨年5月にロシア産天然ガスの輸入が停止されて以降、フィンランドにとって、液化天然ガス(LNG)を除けば唯一のガスの輸入手段となっている。
ノルウェーの地震研究機関NORSARは9日、パイプラインからの漏えいが確認された付近で「爆発の可能性」のある揺れを観測したと発表した。フィンランドのペッテリ・オルポ(Petteri Orpo)首相は10日、記者団に、漏えいは同国の排他的経済水域(EEZ)内で見つかったと述べた。
ロシアの関与についての質問に対しては、オルポ氏は「現段階では情報収集に努め、結論を急がない」ことが重要だとし、明言を避けた。
一方、エストニアの当局者は9日、フィンランドとの間に敷設されている通信ケーブルも損傷を受けたことを明らかにした。エストニアのハンノ・ペフクル(Hanno Pevkur)国防相は、通信ケーブルとパイプラインの損傷箇所は「距離的には離れているが、(事象が発生した)タイミングは極めて近接している」と語った。
ニーニスト大統領は、エストニアと協力して原因究明に当たっているとするとともに、北大西洋条約機構(NATO)のイエンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長とも連絡を取り合っていると述べた。NATOとしても調査に協力する用意があるという。(c)AFP/Elias HUUHTANEN