【8月25日 AFP】問題発言で知られるデンマーク人映画監督ラース・フォン・トリアー(Lars Von Trier)氏(67)が、デンマークが米国製戦闘機F16をウクライナに供与することを批判し「ロシア人の命も大切だ」と投稿し、物議を醸している。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は20日、デンマークを訪問。メッテ・フレデリクセン(Mette Frederiksen)首相と共に供与予定のF16を視察した。

 これを受け、トリアー氏は22日、インスタグラム(Instagram)に英語で「ロシア人の命も大切だ!」と投稿。「ゼレンスキー氏とプーチン氏、そしてとりわけ(大恋愛中であるかのような満面の笑みを浮かべ、現代で最も恐ろしい兵器の一つのコクピットでポーズを取った)フレデリクセン氏」に宛てたものだと説明した。

 トリアー氏はコメント機能をオフにしていたが、この投稿はロシアとウクライナのメディアに取り上げられた。

 同氏は24日の投稿で、「私は当たり前のことを書いただけだ。すべての命は大切だということを!」と自身の発言を正当化し「反戦主義が美徳だった頃のフレーズはもはや忘れ去られたようだ」と付け加えた。

 トリアー氏は2011年に「ヒトラー(Adolf Hitler)は理解できる」と発言し、物議を醸したことがある。

 トリアー氏は自身が監督した映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク(Dancer in the Dark)』で00年、カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)の最高賞パルムドール(Palme d'Or)を受賞した。(c)AFP