【8月23日 AFP】スペインサッカー連盟(RFEF)のルイス・ルビアレス(Luis Rubiales)会長が、女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会(FIFA Women's World Cup 2023)で優勝した代表のヘニフェル・エルモソ(Jennifer Hermoso)の唇にキスをしたことについて、同国のペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相が22日、謝罪では「不十分」だと述べた。

 スペインは20日のW杯決勝でイングランドを1-0で退けて優勝。しかし表彰式でのメダル受け渡しの際、ルビアレス会長が他の選手には頬へのキスやハグだったのに対して、エルモソの唇にキスをしたことがスペイン国内で批判を浴びていた。

 その後、ルビアレス会長はSNSに投稿した動画で、不適切な意図はなかったと弁明し、連盟の代表として慎重な行動を心がけるべきだったと謝罪した。

 しかし社会労働党政権として、性的同意やハラスメントに関する法律を厳格化してきたサンチェス首相は、記者会見でこの件について問われると、「受け入れがたい行いだと見ている」と発言。さらに「ルビアレス氏による謝罪では不十分だとも考える。不適切であり、彼はもっと踏み込むべきだとすら考えている」とも述べた。

 その後、連盟はこの件に対応するため、25日に臨時総会を開催することを発表している。

 エルモソは、試合後にロッカールームで行ったインスタグラム(Instagram)のライブ配信で、笑いながら「気に入らなかった」と話したが、その後に出された連盟の発表文を通じて、「W杯で優勝することがもたらす計り知れない喜びによる、まったく自然発生的な互いの意思表示だった」とし、会長との関係が良好であることを強調していた。(c)AFP/Marie GIFFARD