【10月11日 AFP】サッカー元イラン代表のレジェンド、アリ・ダエイ(Ali Daei)氏は10日、AFPの取材に対して、クルド系イラン人女性マフサ・アミニ(Mahsa Amini)さん(22)が死亡した事件の抗議デモを支持したことで、旅券を一時没収されていたと明かした。

 アミニさんは女性に課されている厳格な服装規定に違反したとして「道徳警察」に逮捕され、その3日後の先月16日に死亡した。以来、イランでは全国で抗議デモが拡大。暴動による死者数は数十人に達し、数百人の逮捕者も出ている。

 ダエイ氏は、抗議デモが始まってから初めてメディアにコメントし、「海外から帰国した際、テヘランの国際空港で、家族や他の人々がいるところでパスポートを没収された」と述べた。

 旅券を没収されたことは「当時も今も重要な問題ではなく、どこにも(対応に)行かなかった」といい、当局から「2、3日後に返還された」と明かした。

「残念ながら、なぜ彼らが私のパスポートを取り上げたのか理解できない。このような敬意を欠く行為をしておきながら、パスポートを返還することにどういう法的意味があるのだろうか」とも話した。

 ダエイ氏は現役時代に代表通算109得点をマーク。この数字は、2021年9月にクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)に抜かれるまで歴代最多記録となっていた。

 地元メディアでは6日、元イラン代表選手でドイツ・ブンデスリーガ1部のバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)でもプレーしたアリ・カリミ(Ali Karimi)氏が、抗議デモに参加したとして訴追されたと報じられている。(c)AFP