【9月5日 AFP】米ロックバンド「ニルヴァーナ(Nirvana)」のアルバム「ネヴァーマインド(Nevermind)」に赤ちゃんの頃の裸の写真を使われた男性が児童ポルノに当たるとして損害賠償を求めていた訴訟で、カリフォルニア州の連邦地裁は2日、男性の訴えを退ける判決を言い渡した。

 訴えていたのはスペンサー・エルデン(Spencer Elden)さん。存命中の元メンバー、デイヴ・グロール(Dave Grohl)氏とクリス・ノヴォセリック(Krist Novoselic)氏、ボーカルの故カート・コバーン(Kurt Cobain)氏の遺産管理人、写真を撮影したカーク・ウェドル(Kirk Weddle)氏らに対し、「極度の、かつ永続的な精神的苦痛」を受け、「生涯にわたる収入獲得能力喪失」などの損害を受けたとして、各人に15万ドル(約2100万円)の賠償金を請求していた。

 しかし、連邦地裁のフェルナンド・オルギン(Fernando Olguin)判事は、エルデンさんが「未成年時に受けた行為や、損害賠償請求の根拠としている傷害を認識してから訴訟を起こすまでに(法令で定められている)10年以上が経過している」などと指摘した。

 同判事は今年1月にも、エルデンさん側が期限内に訴状を修正できなかったとして訴えを退けていたが、代理人は同月末に改めて提訴していた。

 代理人は3日、判決を不服として上訴する意向を示した。

 2008年にエルデンさんの家族が公共ラジオ局NPRに語ったところによると、撮影者のウェドル氏はエルデンさんの父親の友人で、2人が開いたプールパーティーで当時無名だったニルヴァーナのためにこの写真を撮影。エルデンさんの両親が謝礼として受け取ったのは200ドル(約2万8000円)だった。(c)AFP