【4月22日 AFP】ロシアと軍事同盟を結ぶキルギスの国家安全保障委員会は21日、ロシアのウクライナ侵攻への支持を示す「Z」マークを使わないよう市民に呼び掛けた。刑事責任を問われる可能性もあるとしている。

 同委員会は旧ソ連の対独戦勝記念日に当たる5月9日を前に、「Z」マークは「民族間の憎悪をあおる恐れがある」として、パレードの衣装に使わないようレンタル業界に要請した。市民に対しても、パレードで「Z」に関連した記章を着けないよう呼び掛けた。

 信頼できる世論調査のデータはないが、キルギスや隣国カザフスタンのようなロシア系住民やロシア語話者が相当数いる国では、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐって世論が二分しているとされる。

 イスラム教徒が多数派を占める中央アジア5か国(キルギス、カザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタン)にとってロシアは貿易面でも安全保障面でも重要なパートナーであり、いずれの国もウクライナ侵攻を直接非難していない。

 キルギスは今月、費用を理由に対独戦勝記念パレードを実施しないと発表していた。(c)AFP