【4月15日 AFP】英国は14日、イギリス海峡(English Channel)から不法入国した移民らをルワンダに送る計画を発表した。英国に到着する不法移民の数は過去最多に上っており、政府は対応に苦慮している。

 ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相はイングランド南東部ドーバー(Dover)近郊で演説し、「本日をもって、1月1日以降に不法入国した者はルワンダに移送される可能性がある」と表明。「ルワンダは今後数年間で数万人規模の再定住を受け入れることになる」と述べた。

 ジョンソン氏は不法移民の取り締まり強化を公約に掲げていたが、危険を冒して海峡を渡る移民の数は過去最多に上っている。昨年、フランスから小型ボートでイギリス海峡を渡って英国に到着した人は2万8000人を超えた。

 ジョンソン氏によると、これまでは国境警備隊がイギリス海峡で密航船の監視に当たっていたが、今後は海軍が担当する。

 一方、ルワンダ政府は同日、不法移民の受け入れに向けて英国との間で数百万ドル規模の協定に署名したと発表した。

 ビンセント・ビルタ(Vincent Biruta)外相は声明で「難民申請者や移民を受け入れ、定住に向けた法的手続きを提供するという内容の英国との協力関係を歓迎する」と述べた。

 ビルタ氏によると、移民らを「ルワンダ全国の地域社会に統合する」ため、英国が最大1億2000万ポンド(約19億7000万円)の資金を拠出する。

 ただ、ルワンダへの移民移送計画をめぐっては、人権団体から「非人道的」だと非難する声が上がっている。(c)AFP/Charles Onians with Ivan Rush Mugisha in Kigali